離婚率が年々、上昇傾向にあると聞きます。テレビでも、新聞でも、雑誌でも、離婚のニュースは後を絶ちません。「芸能人が離婚するのがそんなにニュースになるのか?」と思っていたら、実は離婚したい人々の格好のサンプル・ケーススタディだったと言う訳です。
年上旦那のモラハラに悩む妻や、不倫相手と自宅で過ごしている現場へ踏み込んだ夫はそれなりに真摯な眼差しでテレビを観ている事でしょう。熟年離婚を考えている妻は、財産分与を参考にし、子供が居る夫婦は親権争いの裁判を見つめています。
つまり、自分たちや知人・友人の離婚問題と重ね合わせて芸能人の離婚ニュースを観る…。それだけ離婚がとても身近なことになり、興味ある問題となっています。
しかし、ふと思います。このままどんどん離婚が増えて行くと、日本の夫婦制度はどうなるのでしょう? 結婚制度はこのままで良いのでしょうか? 日本の少子化問題は離婚問題と両輪なのでしょうか? 疑問が次々と出てきます。
そして…そもそも 離婚率 の 推移 ってどうやって調べてるんでしょう? 明確に答えられる読者はいらっしゃるのでしょうか?調べてみたら意外な事実が…。離婚率って謎です!
離婚率の推移~カラクリと謎~(前編)
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計算式を知っていますか?
先ほどより【離婚率】と言う言葉が幾度と出ていますが、そもそもの計算式をご存知でしょうか?何となく我々がイメージしているのは、「結婚している夫婦が離婚する割合」的なものですよね?
計算式で言えば【全婚姻世帯数】を分母に【離婚した世帯数】を分子にして、100を掛けるイメージでしょうか? でも、実際には違っていました。マスコミの言うところの【特殊離婚率】と全世界共通で使われている【普通離婚率】の2種類がありました。
「ん?なんで?2種類あるの?」と言う感じです。先ず、マスコミが通常使う離婚率ですが、これは【その年の離婚件数】÷【その年の婚姻数】×100と言う式で表すことが多いようです。
「今年の離婚率は○○%!3組に1組が離婚!」とセンセーショナルな見出しが躍ると言った寸法です。
また、特殊離婚率と言うネーミングですが、その名の通り、普通離婚率に対して、特殊な条件で算出した離婚率を全てそう呼びます。
例えば「結婚10年目の離婚率」などが挙げられます。ですので、いわゆるテレビ・新聞・雑誌などで使われている離婚率はこの特殊離婚率が殆どです。
これに対し、普通離婚率は全世界で共通で使われる言わば「統計学上の決まった計算式」と言えるものです。計算式は【その年の離婚件数】÷【10月の日本の全人口】×1000で表せます。
「人口千人当たりの離婚率」と言った方が分かりやすいですね。どちらも、毎年の数値を出して推移を見る分には、有効な数字ですが、【離婚率】と言うにはなんか、しっくりこない…。
筆者的には出来れば「統計上可能な年月の総和」で数字が見たいところです。
世界の離婚率推移
離婚率の推移などの統計資料はネットで簡単に見ることが出来ます。もちろん、公式なものは先ほどの「普通離婚率」に基づくデータです。
原稿の資料探し中に「世界主要国の離婚率推移」と言うグラフを見つけました。興味深くグラフを見ていると、あることに気が付きました。
先進主要国のグラフだったのですが、ほぼ全ての国が1940年代から、大まかに増加傾向にある中で、イタリアだけが若干の増加傾向にありながらも、非常に低い率で推移しているということです。
1940年代から現代まで1%に満たない数値です。女性に対して手の早いイメージのイタリアが何故?と思いデータを紐解いてみると、イタリアの法律が大きな原因ではないかと考えられます。
イタリアでは1970年代中頃に法改正されて、離婚したい夫婦は3年間の別居を経て手続きすることが義務化されているそうです。
冷静に考える期間を設けるという趣旨の様ですが、さすがローマ法王のお膝元、キリスト教では離婚・自殺はタブーであることが大いに影響していると思われます。同様に自殺率もダントツで低いお国柄です。
後編では、少子化問題や今後の日本のあるべき姿についてご紹介致します。
まとめ
離婚率の推移~カラクリと謎~(前編)
計算式を知っていますか?
世界の離婚率推移