「離婚率の推移~カラクリと謎~(前編)」では、マスコミの言うところの「特殊離婚率」と全世界共通で使われている「普通離婚率」の2種類についてご説明致しました。後編では、 離婚率 の 推移 と自殺率の関係や少子化問題、さらにこれからの日本のあり方について考えていきたいと思います。
離婚率の推移~カラクリと謎~(後編)
自殺率と離婚率
自殺率の話題が出ましたが、これは離婚率と大いに関係があるようです。ロシアはアメリカと並んで、離婚率が高い国として知られています。主要国の共通の傾向は70年代~80年代に大きく上昇した離婚率が、その後、横這いとなります。
しかし、ロシアは1991年のソ連崩壊後も増加傾向にあり、2002年に最高値となっています。このグラフの軌跡が自殺率の軌跡とよく似ているのです。
また、韓国を見てみると、90年代後半から上昇し続け、2003年にピークを迎えます。このとき韓国は先進諸国をごぼう抜きで世界第3位まで上昇しています。なかでも、経済危機救済の為、IMFより緊急融資を受けた翌年、98年は殊更に急上昇しています。
これは、家族を借金から切り離すための偽装離婚と言われており、IMF離婚と呼ばれているそうです。
そして、自殺率と合わせてみると、先のロシアは90年代半ばに世界一位、韓国は2012年頃にロシアを抜いて世界一位となっています。その時々の社会情勢に経済活動も、結婚生活も、自殺率も大きく振り舞わされた結果と言えます。
やはり、愛だけでは【離婚】は避けることが出来無いのでしょうか?
このままでは少子化問題が…
日本の離婚率は上昇していると言われます。「3組に1組が離婚!」と言う文字もよく目にします。このままでは少子化に歯止めも掛からず、日本は滅びてしまうのではないか?と心配になります。離婚率が上がると、やはり少子化はより進んでしまうのでしょうか?
先の先進主要国 離婚率推移のグラフを見ると、アメリカは1985頃よりずっと大幅な減少傾向(前段の増加傾向は40年代と比較しての見地です)にあります。
フランスもまた、ここ10年減少傾向です。なぜでしょう?答えは意外と単純でした。アメリカの婚姻率は85年を境に下降傾向です。離婚率のグラフの折れ方と同じ奇跡です。
フランスも74年をピークに下降傾向です。そもそもの分母の数が減っているのが一つの理由です。しかしながら、婚姻世帯が減っているのに、折に触れ、少子化対策の成功例としてフランスの事例が用いられます。
絶対数が少なくなってきているのに子供が増えるのは何故なのか?こちらの答えは若干、複雑な気持ちになりました。答えは【婚外子】の増加です。つまり、結婚せずに子供を持つ人が増えているということ。52%に及ぶそうです。
これはフランスの政策によるもので、婚外子へも手厚い援助を行った結果です。フランスほどではないにしろ、アメリカでも婚外子は増えています。
また、アメリカでは【結婚】そのものが、一部の富裕層の慣習になりつつあります。アメリカの抱える格差の闇が結婚制度を否定しているように感じます。
フランスにおいても、同じように少子化対策に成功したと言われるスェーデンにおいても、そして、アメリカにおいても、むしろ、結婚制度の方が劣化したのかも知れません。
日本はこれからどうする?
社会的に成熟した先進国の動向を探ると離婚率そのものは近年、減少傾向にあります。
日本では2000年頃をピークにした若干の減少ですが、目や耳に飛び込むのは「3組に1組が離婚!」であったり、「熟年離婚の急激な増加」であったりします。データを探れば探るほど謎でしたが、数字のマジックはその計算方法でした。
前出の【特殊離婚率】に憂いていたのです。団塊の世代は人口構成上、突出した人数ですから周りに熟年離婚した人は必然的に増えます。肌感で「増えている!」訳です。
そして、その人たちを分子で計算すると当然のことながら、数値は上がります。離婚率の動向だけで言うとこれからの10年は確実に下がると考えられます。結婚しない人が増え、離婚する人が徐々に居なくなる訳ですから…。
それらを踏まえ、日本の結婚制度=少子化問題へ一言だけ提言です。
「3世代同居」を推奨しませんか?そして、第2子、第3子へ手厚い手当と子供たちを保育するおじいちゃん・おばあちゃんへ補助金を出しませんか?
補助金が年金の不足分となり、子供の世話をしているのでボケない=介護問題解消の一助、待機児童問題の解消、地域コミュニティーの復活などなど、良いこといっぱいです。
高齢化社会の財産は高齢者です!婚外子が社会的地位を獲得するのが欧米流なら、【3世代同居】こそ、日本流ではないでしょうか?
まとめ
離婚率の推移~カラクリと謎~(後編)
自殺率と離婚率
このままでは少子化問題が…
日本はこれからどうする?