有責配偶者から離婚の請求をされたときには、受ける必要はありません。しかし、不倫やDVという不法行為を行った配偶者とは、慰謝料をもらってきっぱり別れるというのも1つの選択肢です。
ここでは、 有責配偶者 から 離婚 を請求されたときに、どのような権利があるのかについて解説します。
有責配偶者との離婚について
有責配偶者とは?
民法では、不貞行為や悪意の遺棄など、離婚原因が5つ定められています。この離婚原因を作ったほうの配偶者を有責配偶者と呼びます。離婚原因があれば同意がなくても一方の意志で離婚ができると言われていますが、有責配偶者のほうから離婚を請求することは認められません。
これは考えてみれば当然のことです。例えば、夫が浮気をした場合、妻は夫にたいして一方的に離婚を言い渡すことができます。
しかし、浮気をした夫のほうから離婚を言い渡すことができるのであれば、社会的正義に反しますし、被害者である妻が一方的に不利益を被るということになるかもしれません。
例外的に、有責配偶者からの離婚請求が認められる場合もありますが、「長期の別居」、「未成熟子の不存在」、「相手方配偶者が離婚により精神的・経済的に過酷な状態におかれないこと」という3つの要件を満たしている必要があるので、かなり限定されたケースになります。
原則として、有責配偶者からの離婚請求は認められません。
有責配偶者から離婚を切り出されたら
有責配偶者から離婚を切り出されたとしても、被害者であるあなたはそれを受けるも受けないも自由に決めることができます。逆に、被害者であるあなたは、有責配偶者が離婚を望んでいなくても、強制的に離婚を決めることもできます。
不倫やDVがあった場合には、相手に慰謝料を請求することもできますので、もらえる慰謝料の金額も考慮に入れるとよいでしょう。浮気の場合ですと、離婚をせずに浮気相手にだけ慰謝料を請求するということもできます。
誤解されていることがありますが、離婚をしなくても配偶者に対して慰謝料を請求することはできます。慰謝料とは不法行為によって被った損害を金銭で賠償してもらうものですので、夫が浮気をしたなら、慰謝料をもらってなおかつ夫婦関係を継続するということもできます。
夫婦別財産制がとられている日本では、離婚をしなくても夫から慰謝料をもらう意味はあります。
逆にあなたが有責配偶者になってしまったら
逆に、妻のほうが有責配偶者になってしまうこともあります。そうなると、いくら他に好きな男性がいて、その人と一緒になりたいと思っていても、夫が認めてくれない限りは離婚はできないということになります。
さらに、夫から多額の慰謝料を請求されてしまう恐れもあります。浮気相手の男性にも当然慰謝料請求はされるでしょうから、浮気相手にとっても負担となります。
浮気相手がお金持ちならたいして痛くはないかもしれませんが、できることなら浮気をするのではなく、きちんと離婚をして、その後で自由に恋愛をしましょう。
有責配偶者になっても弁護士などに協力をしてもらうことで離婚ができるケースもあります。まずは離婚問題に強い弁護士に相談をしてみましょう。
離婚をするなら弁護士に相談を
有責配偶者から離婚を切り出されたなら、あなたは有利な立場にあると言えます。弁護士に相談をして、しっかりと相場通りの慰謝料、養育費をもらって、財産分与についても失敗のないようにしておきましょう。年金分割の手続きも重要です。
弁護士にすべてをまかせると弁護士報酬も高額になりますので、自分で解決できることはインターネットなどで調べながら解決をしてしまいましょう。配偶者が離婚をしたいと言っているのなら、離婚の争いについては弁護士を頼る必要はありません。
弁護士に依頼をすることで高額になりやすいのが慰謝料ですので、慰謝料については相談だけでもしておくことをおすすめします。養育費の取り決めは、しっかりと公正証書を作成しておきましょう。
まとめ
有責配偶者との離婚について
有責配偶者とは?
有責配偶者から離婚を切り出されたら
逆にあなたが有責配偶者になってしまったら
離婚をするなら弁護士に相談を