「有責配偶者からの離婚請求ってできるの?(前編)」では、離婚事由にはどのようなものがあるのかお伝えいたしました。後編では、 有責配偶者からの離婚請求 は可能であるのかという点に焦点をあてご説明いたします。
有責配偶者からの離婚請求ってできるの?(後編)
有責配偶者からの離婚はしにくいの?
ここまであげた行為をした場合には有責配偶者として離婚を請求されて慰謝料を支払う義務を負うことになります。そして、不貞行為やDV・モラハラ、そして悪意の遺棄をされた人はほとんどの場合今後婚姻関係を継続することをあきらめて離婚を請求してきます。
しかし、なかには相手への仕返しのために、あえて離婚請求せず婚姻関係を継続するという人や離婚後の生活に不安を覚えて離婚しないという選択をする場合もあります。
一方が離婚を認めていない場合には離婚を成立させることは不可能ではありませんがなかなか難しいです。
一方有責配偶者からすれば、自分の悪事がばれてしまっていたり、相手への愛情が亡くなってしまっていることからこれを機に離婚したいと思うことになります。
有責配偶者側からの離婚請求は、ひと昔前は社会道徳や倫理に反するものと考えられていたため認められていませんでした。
これは落ち度のない配偶者側を守るという意味もありました。しかし、近年では離婚裁判でも有責配偶者からの離婚請求でも認められるようになっています。
有責配偶者からの離婚請求は不可能ではない!
社会道徳や倫理的な観点からいうと、有責配偶者からの離婚請求には問題があると感じる人も多いかと思います。
しかし、すでに婚姻関係が破たんしていて、継続するのが難しい状況にも関わらずむりやり夫婦関係を維持させることには問題があるとの考え方もありますので、裁判で有責配偶者からの離婚請求は一定の要件を満たせば認められるようになりました。
その要件は1つ目は夫婦の別居状態が長期間に及んでいること、そして夫婦の間に未成熟子がいないこと、そして相手が離婚によって精神的、社会的、経済的に過酷な状況にならないという3つです。
この要件は基本的なものではありますが、夫婦ごとの経緯や状況も踏まえながら最終的には裁判所が判断をすることになります。ですので、現代は有責配偶者からの離婚請求は不可能というわけではありません。
まとめ
有責配偶者からの離婚請求ってできるの?(後編)
有責配偶者からの離婚はしにくいの?
有責配偶者からの離婚請求は不可能ではない!