未成年の子供がいる夫婦が離婚をする際に 養育費 をどうするか話し合い、約束を交わしたのに支払いが滞ってしまう事例があります。
相手に 請求 すると「その養育費は 時効 だ!」と返されたという話もあります。本当に時効はあるのでしょうか?
養育費請求の時効の仕組みはさまざま
成人になるまでがリミットではない養育費
養育費をもらえるのは通常未成年者との認識があります。
実は正確には養育費は未成年者ではなく未成熟子に対して支払われるものです。未成年者というのは20歳未満の子供を指しますが未成熟子は経済的に自立できていない子供を指します。
具体的にいうと四年生の大学に通っている子供は成人になってもまだ学生です。学生でありながら経済的に自立するのはなかなか難しいものです。その場合成人していても学生の子供は未成熟子として養育費をもらうことができます。
他にも心身障害を抱えている自立できない子供についても未成熟子となり親の扶養義務があるため、成人を迎えても養育費をもらうことができます。
また逆に18歳でも就職をして経済的に自立が出来ていたり、結婚して所帯を持った場合には未成熟子とは呼べないために養育費の請求ができません。
大学生である未成熟子に関してもアルバイトができる状態であれば、養育費の減額を相談することができます。
養育費を請求するのはいつがよいのか
離婚時に必ず養育費の取り決めをしなければならないわけではありません。しかし大体の夫婦は離婚時に養育費について話し合って決め、それを書面に残します。
しかし、こうして養育費の支払いについて決めたはいいけど実際に養育費の支払いが滞ってしまった場合時効が発生します。
具体的な養育費についての決めごとを書面に残した場合、それは定期給付債権となり5年で時効となります。
裁判所で作成した判決書の場合、時効は10年となります。いずれにせよ時効があるので養育費が支払われなかった場合、早めに請求をすることです。
時効についてもっと詳しく知りましょう
意外と多くの人が勘違いしているのが、離婚から5年経ってしまったら養育費を請求できないと思っていることです。養育費のことを話し合わずに離婚してしまう場合もあるでしょう。
しかし、そもそも養育費とは親の義務です。親子関係がある限り養育費請求に時効はありません。離婚時に養育費の取り決めをしていなくても請求したいときに請求できるのです。
ただし、養育費をさかのぼって請求するのは難しく、相手の支払い能力の有無について知っておく必要があります。
相手が了承すれば遡った分の養育費も請求できますが、審判となった場合は基本調停申し立て以降の分しか養育費は認められません。
また、離婚時に養育費の取り決めを書面に残していたとしても、時効について相手が知らなければ請求できます。
時効が成立していることを知っていると相手が正式に内容証明などで知らせてこない限り請求することができるのです。
養育費は子供の健やかな成長のため
親の離婚に子供が犠牲になることは避けるべきです。養育費はよく話し合って子供の成長と教育に必要な金額を決めて滞ることなく支払わなければなりません。
必要な教育を受けるためには成人年齢を期限とするのではなく、大学卒業を期限として養育費の請求をする親も多いものです。
しかしあくまでも養育費は子供のための物です。不当に額をつりあげたり、支払いの約束を守らなかったりすることがないようにしましょう。
まとめ
養育費請求の時効は場合によって違う
未成年ではなく未成熟子に支払われる養育費
養育費を請求するのはいつがよいのか
時効が成立しないパターンもある
養育費は子供の健やかな成長のため