離婚をした時、あるいは離婚をしてからしばらく経って、養育費を請求しようとした時、いったいいくらの養育費を請求すればよいのかはとても難しい問題です。そんな時は、 養育費 算定表 を参考にすると簡単に標準的な養育費の金額を算出することができます。
ここでは、養育費とはなんなのかをまず解説し、養育費算定表を使った金額の出し方を解説します。
離婚をした時の養育費の算出は、養育費算定表が参考になる
養育費に関するよくある誤解
養育費に関して、よく誤解をしている人がいます。例えば、「自分の浮気が原因だから養育費はもらえない」、「自分に落ち度があったからもらえない」といったものです。この勘違いは、おそらく慰謝料と養育費を混同していることから来るものだと思われます。
慰謝料と養育費は、どちらも離婚をしたときに発生するお金ですが、両者は大きく性質を異にします。
慰謝料とは、「相手の不法行為によって被った損害を金銭で賠償してもらうもの」です。相手の浮気や暴力で精神的・肉体的に傷ついた場合、これを金銭で賠償してくださいと請求するのが慰謝料です。そのため、慰謝料はなにも離婚をした時だけに問題になるものではありません。
離婚をしていなくても、慰謝料は請求することができます。
養育費とは?
養育費というのは、親の扶養義務を理由としたものです。離婚をすると夫婦関係はそこで終わります。しかし、離婚をしても親と子の関係は終わりません。別れて暮らしていても、父親には子供を扶養する義務があります。
そのため、同居している母親だけが苦労して子供を育てなければならないのではなく、父親にも子供を育てるためのお金を出してくださいと請求することができます。
養育費は、親が持っている権利と言うよりも、子供が持っている権利と言えます。しかし、子供には裁判をしたりする能力がないので、親が子供に代わって片方の親に養育費を請求するということになります。
こうしてみると、「自分の浮気が原因だから」、「自分にも落ち度があるから」といった理由は、なんら養育費を請求できない理由にはなりません。離婚の原因がどんなものであるのかは、子供には関係のないことです。養育費は子供の権利なので、どんな場合でも請求することができます。
養育費算定表とは?
養育費の算定は、専門知識を持ったプロであってもとても難しいものです。子供の生活や教育のためにいくらのお金を出すのが適切なのか、どちらの親がどれだけ負担をするかということは、簡単に答えが出せるものではありません。
従来から、とてもたくさんの資料を参考にして、いくつものプロセスを経て養育費の金額が決定されてきました。
この、膨大な時間と膨大な資料が必要となるという問題点を解決するために作られたのが、養育費算定表です。養育費算定表を用いれば、標準的な養育費の金額を簡単に算出できます。
養育費算定表を使った計算の仕方
養育費算定表を使って養育費を出すために必要な情報は、4つです。すなわち、「養育費を支払う者の年収」、「養育費を受け取る者の年収」、「子供の年齢」、「子供の人数」の4つです。
例えば、「元夫の年収が500万」、「妻が専業主婦」、「子供の年齢は0歳~14歳」、「子供の人数が1人」の場合、養育費の金額は「4万円~6万円」となります。
養育費算定表以上の金額をもらうには?
養育費算定表とは、あくまで標準的な養育費の金額を出すためのものです。しかし、裁判で養育費算定表以上の金額をもらうためには、特別な事情があることを説明する必要があるでしょう。
例えば、養育費算定表では子供を公立の学校にいかせることを前提として算定されていますが、両親が子供を私立学校にいかせることに同意している場合には、特別な事情であると言えます。
また、話し合いで合意ができれば、いくらの養育費をもらっても問題ありません。ただし、養育費を途中で支払わなくなるケースはたくさんあるので、口約束だけですませるのではなく、しっかりと公正証書を作成しておくことをお勧めします。
まとめ
離婚をした時の養育費の算出は、養育費算定表が参考になる
養育費とは?
養育費算定表とは?
養育費算定表を使った計算の仕方
養育費算定表以上の金額をもらうには?