離婚を前にした2人に子供がいる場合、誤解がなく知っておくべきなのは養育費の問題。養育費については、離婚時でなく離婚後に発生するお金のため、離婚前から正しい知識をもっている人は以外と少ないのが事実。
知らないためにお互いの感情で決めてしまうことのないよう、まずは 養育費 がそもそも誰のものなのかについて確認しておきましょう。
養育費はそもそも誰のためのお金?(前編)
養育費は親のためではなく子どものためのお金
離婚にからむお金のうちでも、養育費は他とは明らかに違う性質があります。離婚する2人のものではなく、子どものためのお金だからです。
離婚の条件を話し合う中で、「養育費その他の金銭を請求しない。」と夫婦間の話し合いで合意するケースも少なくありません。ですが、財産分与や慰謝料の放棄は夫婦間の自由ですが、養育費は全く別問題として考えんなければなりません。
親である以上は、親権の有無や実際に子供を養育しているかどうかに関わらず、子供を育てる責任があり、養育費を分担する義務があります。養育費は本来、子ども自身に請求する権利があるのです。
仮に母親が子どもを育て、父親から養育費を受け取らない約束をしても、子どもの請求権は失われません。もし育てる側の親がいったん養育費の請求を放棄したとしても、本来は子どもの権利であることを理由に、改めて請求することができます。
ただし、離婚時の合意内容が最優先されることから、「合意内容が子どもに大きな不利益をもたらす場合などに限られる。」との考え方が裁判では主流です。
ですから、過去の分の養育費については、請求した時点を基準にするか、請求以前の養育費もさかのぼって請求できるとするかは、裁判所の見識は分かれるようです。ですから養育費については、離婚時にきちんと取り決めをしておくことが重要です。
養育費とは具体的にどんな費用?
養育費の内容については、具体的に、衣食住の経費・教育費・医療費・最低限度の文化費・娯楽費・交通費など子どもを育てるための費用のことです。こどもの小遣いやお稽古ごと・塾の費用なども含まれます。
支払い期間の目安は20歳までですが、18歳(高校卒業)まで、22歳(大学卒業)までという期間もお互いの取り決めによって決めることができます。養育費については、最初にご説明したとおり子どものためのお金です。
話合いの中で最優先して取り決めする必要のある費用であることを認識しましょう。
後編では、養育費の額の基準や支払い方法についてご紹介いたします。
まとめ
養育費はそもそも誰のためのお金?(前編)
養育費は親のためではなく子どものためのお金
養育費とは具体的にどんな費用?