総務省統計局の人口動態調査による2013年の離婚率を見ると都道府県別で違いがある事がわかります。人口数が多いと婚姻数も多くなりますが、離婚率というのはあくまで日本の人口1,000人あたりの一年間の離婚届出件数の割合です。
現在の日本が抱える地域事情や社会情勢等も踏まえて 都道府県 別による 離婚 率 を考えます。
都道府県別の離婚率と社会情勢を考える
統計で見る都道府県別の離婚率
都道府県別の統計の高さを見ると、1位は沖縄県の2、59%です。続いて2位は北海道の2、09%。3位は大阪府の2、08%です。
日本の北と南、その中間地点に上手くバランスよく並んでいますが、4位から10位までの都道府県の順を追ってみると宮崎県 2、08%、福岡県 2、04%、和歌山県 2、01%、高知県 1、94%、東京都 1、92%、鹿児島県 1、87%、熊本県 1、86%です。
離婚率の高い10位までの順位を見ると日本の南の方が目立っているように感じます。
人口数と離婚率の高さを比べてみる
都道府県別離婚件数を見ると、沖縄県が2、59%と郡を抜いて1位で、実に3組に1組が離婚しているという結果が出ています。人口から考えると東京都が一番多いので離婚件数は当然のように全国で一位という結果も出ていますが離婚率は8位で1、92%です。
したがって人口数が多いから離婚率が高いという訳ではない事が伺えます。そもそも婚姻届を出さなければ離婚は出来ません。
また、都会は比較的ひとり暮らしがしやすい環境が整っています。賑わっている場所に行きやすく人との交流も多い為、結婚という現実にたどり着くのが遅れがちになっている傾向にあるのも要因の一つです。
その為、ある程度の社会経験を積んだ上での結婚は離婚という結果を減少させているとも言えるようです。
離婚率の低い都道府県の特徴を考える
離婚率の高い都道府県があるのとは逆に、低い都道府県を見ると、1位が新潟県 1、41%、2位 秋田県 1、42%、3位 山形県 1、47%となっています。
北の方に集中していてイメージ的にも寒い地方の人は離婚が少ないと言われていますが、参考に見ると第4位は富山県の1、47%で第5位が福井県の1、51%という結果が出ています。
大きな危機に直面して離婚が減少した
2011年の東日本大震災で、全国的に離婚が減少したと言われています。1995年の阪神淡路大震災でもそうであったように、人間は生命に関わる大きな危機に直面した時、人との絆を強くする傾向にあるようです。
ただ、これらはいつの時代も一時的なものに過ぎないとも言われているのは阪神大震災直後の数年間、離婚が減少して結婚する人が増加したという前例があるからなのです。
大きな危機に直面しなければ人との絆を確かめられないという現代の社会背景にも疑問です。
高齢化だけではない
離婚率の増加は平均寿命が延びた事も影響していると言えます。高齢化により価値観のズレが生じたりする事で無理な夫婦生活を続けるという生活をやめるという選択肢を持つ人も増加しています。
また、子どもに恵まれなかった夫婦がこのまま夫婦でいる事の理由が得られず、将来に幸せを人生設計が見えて来ず、中高年の夫婦が年月を重ねていくうち互いに違う方向を見ている等、寿命が延びた事で違う選択をするという時間を作ってしまったという事が考えられます。
昔ならそれ程抱えなかった生活習慣病や認知症等、老後の介護問題も増えているのです。
若年層に於いては、最初から性格の不一致や意見がぶつかったりして未熟なまま結婚に至り、価値観の違い等からお互いに相手を思いやるという配慮が出来ないという問題は多いようです。一般的に早婚で知られている沖縄県の離婚率の高さは早婚ゆえの背景があるのかもしれません。
日本は狭い島国ですが47都道府県もある中で県民性や習慣等も違います。このように都道府県別の離婚率をみると、離婚後も比較的に生活しやすい地域は離婚率が高い傾向にあるようです。
まとめ
都道府県別の離婚率と社会情勢を考える
統計で見る都道府県別の離婚率
人口数と離婚率の高さを比べてみる
離婚率の低い県の特徴を考える
大きな危機に直面して離婚が減少した
高齢化だけではない