一般に「他人」というのは家族や親族ではない人のことです。離婚すれば夫婦は他人の関係に戻ると考えている人も多いでしょう。しかし「他人」という言葉について詳しく考えてみると、人によって「他人」についての解釈がまったく違う場合があります。
離婚後の夫婦のあり方と 他人の関係 についてご説明いたします。
離婚した夫婦は「他人の関係」?あなたにとって「他人」とは誰のことですか
他人の関係に戻りたい?
辞書で調べると「他人」というのは「自分以外の人」という解釈もあります。しかし多くの人は「他人」というのは「家族や親族ではない人」という認識を持っていると思います。
「赤の他人」などという言い方もされますが、赤は「真っ赤な嘘」というように、「明らかな」という意味があり、赤の他人というのは「全くの他人」や「縁もゆかりもない人」というように、その人が自分にとっては他人だということをを強調したいときに用いる言葉です。
夫婦関係がこじれて相手に憎しみを感じてしまうようなときには「早く離婚して赤の他人になりたい」と思うものかもしれません。
他人の関係の方が人は優しくできる?
「他人には優しく接することができても家族には優しくできない」という人も世の中には多いのではないでしょうか。「外面がいい」、「内弁慶」という言葉もあるように、家族以外の人には遠慮したり距離感を持って接することができるけれど、家族や身内に対しては横柄な態度をとってしまうのです。
良い意味に捉えればそれだけ家族はその人にとって気を許せる存在なのですが、度を越してしまえば家族にとっては迷惑な「暴君」となります。
その一方では「家族にはとても優しいけれど他人に対しては全く興味を示さない」という人もいます。家族以外とはあまり会話をせず友達付き合いもないとなれば、社会人としては生きづらいでしょう。
少し極端な例を挙げましたが、このような違いはその人の性格や育ってきた環境が影響しているものです。
夫婦はもともと他人
「離婚すれば夫婦は他人になるけれど、子供とは離婚で籍が別になっても他人にはならない」というように「血のつながり」の有無で他人かどうかを判断することもあります。
子供は父親と母親の遺伝子を受け継いだ「血縁」であるから、一緒に暮らしていなくても例え二度と会えなくても「他人」ではない、という考え方です。
このように「血縁」というものを基盤として考えれば夫婦はもともと「他人」で、婚姻関係を結ぶことで家族になっただけなのだから離婚すればまた他人に戻ることになります。
芸能人が離婚したあとも子供の両親としての付き合いは続けていて「結婚していた頃よりも仲良しです」などとコメントしているのは珍しいことではなく、一般の人でも離婚後も父親、母親としての立場では協力する関係を選ぶ人もいるのです。
そういう話を聞くと「他人の関係になった方がお互いに優しくなれる」という事が立証されているような印象を受けますが、戸籍上は夫婦ではなくても子供の養育を共にしていくという関係は「他人の関係」と言えるのでしょうか。
「自分に無関係の人=他人」であるなら
例えば何か事件や事故が起きてそれを新聞やテレビで知ったときに、その事件や事故の関係者が自分とは全く関係のない人であれば人は客観的に物事を受け止めることができるものです。
しかしそれが家族や親しい知人であった場合はどうでしょうか。事故であればその人の安否が気になりじっとしていられなくなるはずです。事件の場合も客観的に受け止めることはできなくなってしまうのではないでしょうか。
他人についての解釈が「自分に無関係の人」ということならば、血縁や戸籍や一緒に暮らしているということに関わらず安否が気になる人は他人ではないという考え方もあるのです。
離婚後の夫婦のあり方
このように「他人の関係」と一言で表現してもその捉え方は様々です。離婚の経緯や離婚に伴う心情によってもその後の関わり方は人それぞれ違うはずです。
しかしどの解釈をする上でも「他人」という言葉の響きにはとても距離を感じるもので「今日からあなたとは他人の関係です」と言葉にすれば「これまでの関係とは違うのだな」という気持ちになるでしょう。
そして「これまでとどのように違うのか」ということが、離婚後の夫婦のあり方になります。離婚を考えるときには「他人の関係」が自分にとってはどのような認識なのかということも考えてみると、離婚後の夫婦のあり方を考える糸口になるのです。
まとめ
離婚した夫婦は「他人の関係」?あなたにとって「他人」とは誰のことですか
他人の関係に戻りたい?
他人の関係の方が人は優しくできる?
夫婦はもともと他人
「自分に無関係の人=他人」であるなら
離婚後の夫婦のあり方