結婚 をした後になって、夫に借金があることが判明したというケースは少なくないようです。学生時代に借りていた奨学金、自動車ローンなどのように金利の低いものならまだよいですが、消費者金融から多額の 借金 があると、離婚も考えてしまいます。
しかし、すぐに離婚を考えるのではなく、一緒にトラブルを乗り越えようとする意思が重要になります。
借金があることが判明!結婚したばかりで離婚?
結婚前に借金の有無を報告する義務がある?
結婚前に借金の有無を報告する義務があるのだとすれば、義務を怠ったことを理由に、婚姻契約を無効もしくは取り消しできる可能性がありそうです。
しかし、婚姻契約を無効もしくは取り消しできるのは、法律に違反している場合などに限られるようです。不適齢婚、重婚、再婚禁止規定違反、近親婚などがこれにあたります。
また、詐欺や脅迫など、相手の不法行為によって結婚をさせられた場合にも、取り消しができるようです。過去の裁判例では、54歳の人が27歳と年齢を偽って結婚をした場合に、婚姻の取り消しが認められた事例があります。
しかし、29歳の人が27歳と偽っていたケースのように、多少の年齢偽証であれば、取り消しはできないようです。
相手が借金があることを隠していたケースでも、一般的には婚姻を取り消すことができませんが、借金の金額がとても高額である場合などには認められる可能性がありそうです。役所、法テラス、弁護士などに相談をしてみましょう。
借金を理由に離婚ができるか?
民法で定められている離婚原因は、「不貞行為」、「悪意の遺棄」、「三年以上の生死不明」、「重度の精神病」、「婚姻を継続し難い重大な事由」の5つです。
多額の借金があることは、5つ目の「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるかどうかが問題となりそうですが、借金があるというだけではこれにはあたらないようです。
借金がたくさんあるために、生活費を家庭に入れることができない場合には、夫婦の相互扶養義務をはたせないので、「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたる可能性があります。
逆に、借金を返済しながらきちんと生活費を家庭に入れているなら、離婚原因とはなりません。もちろん、お互いの同意があればどのような理由でも離婚はできます。
債務整理で解決ができる場合も
夫婦には相互協力義務、相互扶養義務がありますから、夫が借金問題で悩んでいたら、なるべく協力して乗り越えるようにしなければなりません。
夫の借金が返済困難なレベルに達していたら、債務整理を検討してみるとよいでしょう。任意整理なら利息と遅延損害金をゼロにして、元本だけをゆっくりと返済していくことができます。
最後の手段として、すべての借金をゼロにする自己破産があります。自己破産をするとすべての資産を失いますが、結婚をしたばかりならまだマイホームも持っていないでしょうから、メリットのほうが大きいケースもあります。
債務整理をすると、ブラックリストに載ってしまうので、任意整理なら5年間、自己破産なら10年間は銀行でローンを組むことが難しくなり、マイホームを購入するための住宅ローンも組めなくなります。
マイホームの夢はしばらく諦めなければなりませんが、賃貸でもマイホームと同じレベルの生活ができますので、賃貸でも幸せはつかめると前向きに考えるようにするとよいでしょう。
あわてずに冷静に対処をすること
結婚をした後で夫に借金があることが判明したら、騙されたと考えてしまい、浮気や復讐に走ってしまう人もいるようです。しかし、不法行為を行ってしまうと、逆に訴えられて慰謝料などを請求されてしまう可能性もあります。
日本では夫婦別財産制がとられていますので、結婚をしたからといって財産も一緒になるわけではありません。夫の借金は夫のものであり、離婚をしたらもちろん、婚姻中であってもあなたに返済義務はありません。
つまりは、夫がいくら多額の借金を抱えていても、結婚をする前に夫が持っていた借金なのですから、あなたにはいっさい返済義務はなく、離婚をしたときの財産分与の対象にもなりませんので、借金問題だけならあなたが心配する必要はないということです。
しかし、借金の負担で苦しんでいる夫は、精神的に参ってしまい、おかしな行動に出てしまい、別のトラブルにつながる可能性もあります。あわてずに冷静に対処をし、わからないことがあったら役所や専門家に相談をすることが重要です。
まとめ
借金があることが判明!結婚したばかりで離婚?
結婚前に借金の有無を報告する義務がある?
借金を理由に離婚ができるか?
債務整理で解決ができる場合も
あわてずに冷静に対処をすること