「借金の時効とは?借金を踏み倒すことは可能なのか(前編)」では、借金の時効や時効が成立するための条件についてご説明いたしました。後編では、借金を返済しないデメリットについてご説明いたします。
借金 の 時効 を故意的に成立させることは難しいようです。
借金の時効とは?借金を踏み倒すことは可能なのか(後編)
離婚をして届け出をしない場合
裁判をするためには、相手の住所がわかっている必要があります。離婚をして住所が変わって届け出をしなければ借金から逃げられると考える人がいます。しかし、離婚をして住所を変わっても、戸籍や姓が変わっても、逃げることは難しいです。
住所や氏名などの情報は重要な個人情報であり、プライバシーで守られています。しかし、金融機関がその気になれば、調べることは可能です。なぜなら、金融機関にはあなたの住所氏名を調べる正統な権利があるからです。
借金の滞納は立派な契約違反です。たった一回の滞納で個人情報を調べられたりはしませんが、3ヶ月以上の滞納になると重大な契約違反であり、民法上の不法行為、さらには刑法上の詐欺罪などに問われる可能性すらあります。
あなたが不法行為を犯していて、相手には正当な権利がある場合には、弁護士検索などを利用して住所氏名が調べられてしまいます。
返済をしないことのデメリット
時効を成立させるためには債務者はいっさい返済をしない必要があります。しかし、返済をしないということはずっと延滞をしているということであり、個人信用情報には延滞の記録が残り続けます。俗に言うブラックリストに載っている状態になります。
ブラックリストに載っているとクレジットカードもローンも利用できません。また、賃貸契約での保証会社の審査に影響することもあります。住宅ローンも自動車ローンも組めず、大きな買い物をする時もすべて一括で購入しなければなりません。
また、前述したように住所が知られていると裁判をおこされて強制徴収されたり時効が延長されてしまいますので、引越しをしても住民票を移動できません。住民票を移さなければ健康保険にも加入できず、病気になった時に困ります。
時効の援用
結論として、金融機関から借りているお金を時効で消滅させるにはデメリットのほうがはるかに大きいということになります。狙って時効にかからせることはほぼ不可能に近いでしょう。
しかし、偶然時効が成立してしまうことはあるかもしれません。金融機関が忘れている場合や、金額が少額であるために裁判などをするメリットがない場合などです。
もしも偶然時効が成立したら、時効を援用することで時効が完成します。援用をせずに時効を主張しても認められませんので、時効を主張するなら先に援用をする必要があるということを覚えておきましょう。
まとめ
借金の時効とは?借金を踏み倒すことは可能なのか(後編)
離婚をして届け出をしない場合
返済をしないことのデメリット
時効の援用