「 産後 クライシス 」という言葉をご存じでしょうか。これは妻が出産後、夫との関係が急速に悪くなってしまう現象のことです。
産後クライシスによる 離婚 も増えてきていますが、時間の経過とともに、離婚を 後悔 する方もいるようです。後悔しないために心がけておくべきこととはなんでしょうか。
産後クライシスによる離婚で後悔しないために
産後クライシスの原因とは?
産後クライシスの原因とされているものはいくつかありますが、大きくわけると「妻の心身に関わる原因」と「夫婦関係における原因」があるとされています。
前者は、
- 出産によって妻のホルモンバランスが崩れることにより不安定になる。
- 特に初めての子どもの場合は、初の育児で妻の不安が募る。
といったものです。
後者は、
- 子どもが最優先の生活になることにより、夫婦間のコミュニケーションが減る。
- 夫が育児に参加してくれない。
- 子育てに関して夫婦の間で考え方の相違がある。
などが考えられます。
実際に子どもを出産する妻に比べて、夫側はなかなか父性が芽生えにくいというのは、よく聞く話です。
とはいうものの、その子どもは「ふたりの子ども」であることに違いないため、夫婦ともに力を合わせるということは、大前提ではないでしょうか。
産後クライシスが起こったときの“妻側”の対処法
もしも妻が、産後に自分の不安定さを自覚できる場合は、産後クライシスに陥る前に対処できるのが理想的です。
特に責任感の強い妻である場合は、よい母親になろう、自分ががんばらなくては…というように「育児をひとりで背負ってしまう」傾向になり、より塞ぎこんでしまいがちになるでしょう。
そんなときは、
- 夫や親族などに「頼りたい」「助けてほしい」といった意思表示をする。
- 育児の常識や当たり前といった情報に自分が当てはまらないからといって落ち込まない。
- ときには実家などに子どもを預ける。
など、ほっと息抜きできる時間を意図的に作ることをおすすめします。
産後クライシスが起こったときの“夫側”の対処法
続いては夫側ができることをご紹介しましょう。まず、寛大な心を持ち、妻が不安定だったとしてもそれを長い目で見守る姿勢を取ることが大切です。
出産し、体調もよくなく、さらにホルモンバランスまで崩れているという状況で息つく間もなく育児が始まり、妻の体は悲鳴を上げているのかもしれません。そっと温かく見守りながらそばにいることにより、妻の心も落ち着かせてくれるのではないでしょうか。
そのほかには、
- なにか手伝えることがないか妻に聞かずに探してみる。
- 残業や飲み会などを控え、特に子どもが小さいうちは家族との時間を増やすようにする。
- 家事の役割分担を自分に多めに設定する。
- 育児の知識を増やし、妻の不安に寄り添えるようにしておく。
このようなことも、妻の不安を和らげるのに効果的ではないでしょうか。
産後クライシスに関係なく離婚をしたほうがよいケース
なお、以下のようなケースにおいては、産後クライシスを発生させてしまう明らかな要因があるため、離婚を検討したほうがよいでしょう。
- 妻の妊娠中や産後、育児中に夫の浮気があった。
- 夫が育児に関してモラルのない発言をする。
- 親としての自覚を感じられない行動や言動がある。
- 育児に一切参加しようとしない、口出しばかりで手を動かさない。
これらは、育児が落ち着いたあとにも、妻の心の傷やわだかまりとして残りやすいものです。妊娠中や産後に受けた傷はより深くなりやすいため、その後の夫婦関係の修復が難しくなる可能性も高いと言えるでしょう。
産後クライシスによって離婚したあと、いずれ後悔するか・しないかをしっかりと見極めた上で、夫婦にとって最良の選択をするべきです。
まとめ
産後クライシスによる離婚で後悔しないために
産後クライシスの原因とは?
産後クライシスが起こったときの“妻側”の対処法
産後クライシスが起こったときの“夫側”の対処法
産後クライシスに関係なく離婚をしたほうがよいケース