パートナーによる多額の借金が原因で離婚し、その後は悲惨な人生を送る。そのようなケースも少なくありません。
しかし、 債務整理 によって離婚の危機をのりこえ、幸せな結婚生活を取り戻すことは不可能ではないのです。そこで、債務整理の種類と各特徴をみていきます。
債務整理にも種類がある!それぞれの特徴とは?
任意整理
任意整理とは、生活に支障をきたさない範囲で借金返済ができるようにする債務整理の1つです。補足ですが任意整理は、債務整理のなかで最も多く利用されているようです。
借金の減額や、金利の引き直しを司法書士が債権者(お金を貸している側)と交渉します。交渉により、債権者に現状よりもよい条件で合意させます。
任意整理において過払い金が発覚した場合、債権者から過払い金を請求することができ、取り戻すことが可能です。その際、裁判所を通さずに債権者と交渉を行うことが特徴です。
ほかにも、交渉により将来払うべき利息は全額カットされ、分割払いができるようになります。
メリットは利息の全額カットになる上、司法書士や弁護士がすべての交渉をおこなってくれることです。
対してデメリットは、任意整理は債権者にとって不利なため、交渉に応じてもらえない可能性があるようです。ほかにも、約5年間は一切の借金が認められないことや、安定した収入がないと任意整理はできないことがあげられます。
特定調停
特定調停とは、将来借金返済の見通しがたたなくなる債務者(お金を借りている人)を救済するための手続きで、平成12年2月に施行されました。任意整理と似ていますが特定調停は、裁判所を利用した任意整理と認識しておくとよいでしょう。
司法書士や弁護士に依頼するためのお金がない債務者が、裁判所によって債務整理することが可能となります。
メリットは、司法書士や弁護士に依頼をしないため低い費用で利用でき、他の債務整理に比べて解決がはやいことです。また、利息の引き直しが簡単で手続き中は、強制執行を止めることができます。
一見すると簡単で安く済ますことができそうですが、逆にデメリットは債権者にとって厳しいといえるでしょう。デメリットは支払いが滞った場合、給与の差し押さえをされてしまうことがあります。
ほかにも、場合によっては債権者が不利にならない対応をされる可能性があるようです。
個人再生
個人再生とは、借金返済が困難であることを裁判所に認めてもらうことです。認めてもらうと、裁判所によって減額された借金を分割払いにより3年~5年かけて返済していく手続きです。
また借金が500万円以下の場合、最低返済額が10分の1まで減額されることがあるようです。個人再生の大きな特徴は、財産(持ち家など)を手放す必要がなく債務整理が可能なことにあります。
メリットは、債権者からの請求がすべて止まり、借金額を大幅に減額できることです。他にも、借金の経緯を問われることがないため、家族や会社に知られることなく債務整理を行うことができてしまいます。
その反面、デメリットは債務者に安定した収入がないと手続きができず、個人の手続きは非常にむずかしいことです。そのため、手続きは司法書士や弁護士にお願いすることになり、費用がかかります。
自己破産
自己破産とは、借金の返済が不可能なことを裁判所に認めてもらうことです。その際「破産申請書」を裁判所に提出し、「免責許可」をもらうことによりすべての借金をゼロにしてもらえます。
メリットは債権者からの請求がすべて止まる上、借金が全額なくなります。また、収入がない場合でも手続きできることが大きなメリットといえるでしょう。
メリットだけを見た場合、債務整理の中で一番すぐれていると思いがちです。しかし、自己破産には非常に大きなデメリットがあります。
生活に最低限必要なもの以外、ほぼすべての財産が差し押さえられてしまいます。住宅の差し押さえもありますから、当然家族が知ることになるでしょう。
多くの人は借金=自己破産のイメージを強くもっているようですが、自己破産は「最後の手段」として認識するべきかもしれません。
債務整理で新しい人生を歩む
債務整理を知らないゆえに借金で苦しみ、夫婦が不仲により離婚。そういったケースは後をたちません。逆に債務整理のおかげで夫婦の絆を取りもどし、仲のよかった頃に戻るケースもまた事実です。
もしもの場合に備え、債務整理について知識を深める機会をもうけることが大切といえるのではないでしょうか。
まとめ
債務整理にも種類がある!それぞれの特徴とは?
任意整理
特定調停
個人再生
自己破産
債務整理で新しい人生を歩む