お互いに好きになって結婚した夫婦でも、長い結婚生活で1度や2度は「離婚」という言葉がよぎる瞬間は誰でもあるでしょう。ですが、いざ本気で離婚と向き合うことになると、法律的な離婚の手順や話し合うべき問題など、何を知っておけばいいのか戸惑う人がほとんどでしょう。
あなた自身の離婚を考える前に、周りの夫婦はどうなのか、現代の 離婚率 についてお話します。
悩んでいるのはあなただけ?現代の離婚率
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今「離婚」のことを考え、踏み出そうとしていますか?それとも迷っていますか?
「離婚」を考え、同じように悩んで結論を出した人は一体どのくらいいるのでしょうか。厚生労働省が発表した「平成26年人口動態統計」によると、2014年の離婚件数は、22万2000組。婚姻件数は64万9000組ですから、数字の上では、新婚夫婦の3分の1以上が離婚したことになります。
1974年の離婚件数は11万3622組で40年前と比較すると、ここ40年で年間の離婚件数は2倍ほどになり、いまや離婚は珍しいことではなくなりました。特に結婚後15~20年、あるいは20年以上たった熟年の夫婦に増加しているといわれます。
2014年の人口1000人当たりの離婚率は1.77%で、この数字は、ロシアやアメリカには及びませんが、日本は離婚先進国といえます。離婚件数の増加は、離婚を選択しても生きていけるという社会の多様化や、結婚観が欧米諸国に近づいてきたのかもしれません。
離婚率が1番高いのは熟年層?世代別にみる離婚率
熟年層の離婚件数は増加が目立ち、数年前に「熟年離婚」というドラマのタイトルにもなっています。結婚して20年以上を経過した層の離婚件数は、40年間でほぼ6倍と以前よりもずっと増え、離婚のハードルが下がってきています。
では熟年層は、他の世代より離婚率が高くなっているのでしょうか?答えはNO。2011年の人口統計資料から作成された年齢層有配偶人口に対する離婚率によると、19歳以下の若年層では男性が約40%女性は70%で高い離婚率になっています。(年齢層有配偶人口とは、一定の年齢層の男性または女性の中で、結婚している人の数をいいます。)
また、20代の男性と女性が約35%、それ以外の世代は15%以下になっています。確かに「熟年離婚」は増加傾向にありますが、「若年離婚」の方が離婚率は高く深刻といえそうです。
離婚すれば幸せになれるの?離婚にからむお金の事情
近年の離婚率の高さからみても、離婚はすでに特殊なことではなく、経済的な面からも、以前と比べれば離婚しやすい社会状況が整ってきたようにみえます。
ですが、離婚のハードルが低くなっているからこそ、改めて慎重に、離婚という選択が自分にとって幸せなのかどうかを考える必要がありそうです。特に専業主婦やパート勤務だった人の場合、経済的な自立が可能かどうかは、離婚を決断する時の切実な問題です。
2007年4月より実施の年金分割制度では、老後の生活確保を目的として、第3号被保険者(50歳以上の熟年夫婦の場合、妻の多くはサラリーマンの配偶者)であっても、配偶者の厚生年金の半分を上限とした額を分割して受け取ることができるようになりました。
最近では、離婚時の財産分与にあたり、配偶者の貢献度について、従来より重視される傾向にあるようです。夫婦のどちらかに、特別な技能があり多くの収入がある場合以外は、原則的に婚姻期間中に形成された夫婦の財産は2分の1ずつ権利があるという流れになっています。
離婚率が増加したことで改正された法律。離婚は楽になった?
現在の離婚裁判は、2004年4月に改正された人事訴訟法により全て家庭裁判所で行われています。改正前に比べて、手続きがわかりやすくなり、迅速で適切な審議が期待できるようになりました。特に、親権や養育費といった子供に関する裁判はプラスの効果が生まれています。
家庭裁判所には、専門知識をもった調査官がいて、心理学や教育学などの専門分野から面接調査を行います。法的な視点だけではなく総合的な観点から柔軟な対応を可能にしたといわれています。
また、和解離婚が可能になり、離婚裁判の途中でも和解が成立した場合は、和解調書を作成することで離婚できるようになりました。この40年間の離婚件数の増加、つまり離婚率が増加することにより、法律も改正されています。
ですが、実際には離婚で解決する悩みもあれば、離婚で生まれる悩みもあります。離婚を考える際に現代の離婚率や離婚事情を知り、あなた自身の離婚を考える参考にしてください。
まとめ
悩んでいるのはあなただけ?現代の離婚率
今「離婚」のことを考え、踏み出そうとしてますか?それとも迷っていますか?
離婚率が高いのは熟年層?世代別にみる離婚率
離婚すれば幸せになれるの?離婚にからむお金の事情
離婚率が増加したことで改正された法律で離婚は楽になった?