離婚する方が結婚するよりもエネルギーが要るとよく言いますが、その原因の1つに相手と話し合うことの難しさがあるようです。もしDVやモラハラがあればもっと大変です。
そんな時に双方の話を聞いて落としどころを考えてくれるのが家庭裁判所の 離婚調停 、正確には夫婦関係調整調停と言います。
離婚調停とは、避けられる不快な話し合い
調停のメリット
意思の疎通がうまく図れなくなり、物を言えばけんかになるという結婚の末期症状の中で離婚の話し合いがうまくいかないのは当然です。まして相手にDVがあれば離婚を言い出すだけで身の危険を感じたり、モラルハラスメントの場合は反対にこちらが悪いように言われ心に深い傷を負うこともあります。
その結果、相手のいない間に逃げるように家を出たまま離婚ができなくなっている人もいて、離婚が成立していれば当然受けられる公的援助も受けられないまま独りで頑張っている人もいます。
家裁の離婚調停では相手と会うことも住所を伝えることもなく調停員の仲介で話し合いができるだけでなく、調停離婚、養育費、財産分与、年金分割も決めることができます。
調停にかかる費用
自分で申し立てをし、調停に臨む場合は数千円からの費用で調停にかけることができます。内訳は申し立ての時に、1200円分の収入印紙と連絡用の郵便切手が必要です。
切手は各家庭裁判所によって少し違いがありますから申し立てをする裁判所で確認する必要がありますが、要は調停日を知らせる封筒に貼る切手ですから82円の切手を調停回数分ということになります。だいたい1000円くらいの請求が多いようです。
あとは戸籍謄本(全部事項証明書)が必要ですから450円と取り寄せにかかる費用がおおまかなところです。
別居中の方で生活費を貰っていない場合は婚姻費用分担申立も同時にすると、収入印紙代と切手代が余分にかかりますが、2000円ほどで1ヵ月分数万円の生活費が貰えることになります。
申し込みはどこへ
相手の住んでいる住所地にある家庭裁判所か、相手と相談して決めた家庭裁判所に申し立てをします。
中には同居のまま2人での話し合いに限界を感じて調停を依頼する場合もあるでしょうから、そんな場合は2人の勤務先に便利なところでも良いわけです。別居していて相手の顔を見るのも嫌という場合は、こちらから呼び出すのですから相手に近い所というわけです。
申し立てには申立書と夫婦の戸籍謄本(まだ結婚していますから1通)、年金分割も申し立てに含む場合は厚生年金なら年金事務所、共済なら共済年金の窓口で貰える情報通知書が必要です。
申立書は書式が決まっていて家庭裁判所に行けば置いてありますが裁判所のWEBサイトからダウンロードすることもできます。
期間はどれくらい
調停は基本的に月に1回、平日に行われます。双方が離婚したいと思っていて、財産分与や養育費などの金銭的な部分の調停の場合は、収入によってだいたいの基準がありますから数回の調停で成立することが多いようです。
相手が離婚したくないとか子供の親権をどちらが持つかで話し合いがつかない場合は感情的なものが入ってきて長引いたり、結局調停不成立という場合もあります。
早く有利に終わりたい
こちらから離婚したくて申し立てをするのですから、短い期間で有利に離婚を勝ち取りたいですよね。ただ調停員は年配の、社会的にある程度の地位にある方が多く、できれば結婚生活を円満に続ける方向へ導きたいと思っている方が多いようです。
また保守的な傾向があり妻側の忍耐が必要だと思っているのか、女性が不快に思うことを言われたりもしますので、費用はかかりますが弁護士を代理に立てることもできます。
費用をかけずに早く終わらせるためには、たとえ裁判になっても離婚が認められるような証拠や根拠があれば有利です。調停員がこちらに同情もしてくれますし、相手に対しても裁判になっても勝ち目がないだろうという態度で接してくれますから、相手も諦めて調停に応じる場合が多いようです。
そのためには別居に踏み切る前に、相手の不倫の場合なら不倫相手の情報やメールのコピー、できれば現場写真、相手の日常のスケジュールのメモなどを準備したいです。全部は無理でも、客観的に見て不倫していると思えるようなことを集めておきましょう。
またDVなら、アザや傷があればすぐに医者で診断書をとっておきましょう。子どもへの虐待があるときも診断書があれば親権をとるのに有利なのはもちろんです。
モラルハラスメントは言葉の暴力ですからスマホで録音しておくのが良いでしょう。いかに結婚生活が難しく、続けることができないかを訴えて調停員の同情をひければ有利に進みます。
終わらなかったら
調停を重ねても話し合いがつかない場合は裁判で離婚請求するか、離婚を諦めるか、別居生活を3年以上続けて結婚生活が破綻している事実を作ってから家庭裁判所に申し立てるという方法があります。
まとめ
離婚調停とは、避けられる不快な話し合い
調停のメリット
調停にかかる費用
申し込みはどこへ
期間はどれくらい
早く有利に終わりたい
終わらなかったら