近年、離婚の件数は増加傾向にありますが、 離婚調停 の申し立て件数も増えています。夫婦の3組に1組の離婚、2分に1組のペースで夫婦が離婚しています。離婚率は1970年と比べて約3倍に増加しています。
また、離婚調停の件数が増えるということは、協議離婚をすることが難しい夫婦が増えているといった要因も考えられます。
今回は、離婚調停のメリット・デメリットについてご紹介いたします。
離婚調停の仕組み ~離婚調停のメリット・デメリット~(前編)
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離婚調停のメリット
慰謝料・子供の親権・養育費の額・財産分与など、離婚の際にはお互いで決めておくべき項目がたくさんあります。
ですが、取り決めた内容を公正証書にする夫婦は多くありません。せっかく話し合いをしたのに、協議離婚の場合では約束が守られないこともあります。
離婚調停では、こうした取り決めをする際には調停委員が立ち会い、書記官によってその内容が調停調書という書面に記載されます。
調停調書には法的拘束力があり、記載された内容に従わない場合には、履行勧告・強制執行といった法的効力を得ることができます。
また、夫婦が別居中の場合は、収入が少ない配偶者や子供の生活費の分担を求めることができ、婚姻費用分担請求調停を同時に申し立てることもできます。
離婚調停では、相手が調停委員と話している間はもう一方は申立人または相手方の控室で呼び出しを待つことになります。
お互いが感情的になっている時には顔を合わせることがないので、スムーズな協議の進行が期待できます。
親権問題、金銭問題など、さまざまなトラブルで揉めている夫婦にとって離婚調停は大変有効な手段です。
また公正証書の作成には数万円必要ですが、調停調書の作成手数料は2,000円と費用面でのメリットもあります。
離婚調停のデメリット
離婚調停は平日の昼間に行われるので、土日祝日が休みの人は仕事を休んで出廷しなければなりません。
また調停は平均して月に1度ほどしか行われません。調停委員・書記官・申立人・相手方の都合が付く日が次回期日として選ばれることが理由の1つです。
相手方が出廷せず期待していたほどの進捗が得られない期日もあります。離婚を急いでいる人にとってはそのペースにとてもストレスを感じるでしょう。
平均的には4回ほどの調停を経て協議がまとまり、離婚に至るケースが多いようです。しかし、中には8回の調停を経ても協議がまとまらず、調停不成立(不調)というケースも考えられます。
調停不成立の場合には1年近い期間を要することになり、仕事への影響と調停のたびに受ける心労から、中には体調を崩す人もいるようです。
調停不成立の場合、審判または離婚訴訟に進むことになり、さらに精神的苦痛は続くことになります。
まとめ
離婚調停の仕組み ~離婚調停のメリット・デメリット~(前編)
離婚調停のメリット
離婚調停のデメリット