「離婚調停の仕組み ~離婚調停のメリット・デメリット~(前編)」では、 離婚調停 のメリットとデメリットをお伝えいたしました。
後編では、離婚調停で気を付けなければならないポイントをお伝えいたします。
離婚調停の仕組み ~離婚調停のメリット・デメリット~(後編)
妻からの離婚調停
一般的には「女性=弱者」という立場で離婚調停に臨むことが多いため、女性としてはいかに自分が有利な内容の調書にしてもらうかに注力する争いとなります。
基本的に親権は母親に認める傾向がありますので、別居中の父親と暮らす子供の親権を争うなど特殊な場合を除いては、母親はそこに力を注ぐ必要はないようです。
一方、夫の浪費・暴力・異性関係などを原因とする慰謝料や財産分与、婚姻費用の分担といった金銭の請求が発生するケースでは、離婚調停で如何に主張を訴えることができるか、また認めてもらえるかが多くの女性にとっては重要になります。
多くの離婚調停において女性は攻撃する側になることが多いということです。このことは女性が相手方(申し立てられる側)になっても当てはまりますが、異性関係が原因で相手方になった場合にはその限りではありません。
夫からの離婚調停
離婚調停において男性が申立人になることは比較的少ないです。また男性が申立人として親権を主張しても認められるケースはごく少数です。
一見して男女差別のようにも感じられますが、離婚調停では「子供の立場に立った判断をする。」という原則があるからです。
妻が子育てをする家庭が一般的なので、離婚調停に至るまで子供は母親と過ごす方が父親と過ごす時間より長くなります。その環境を極力保つといった考えから、親権に関してはそのような判断が下されるのです。
もちろん、父親が専ら育児を担当していたとなれば話は別です。
妻が有責配偶者(離婚原因を作った配偶者)であったとしても、一般的に妻より収入が多い夫への多額の慰謝料の支払いが認められるケースは多くはないのが現状です。
有責である別居中の妻より夫の方が高収入であれば、婚姻費用の分担は認められる可能性があります。
理不尽ですが、妻が生活に困窮している場合等には注意が必要です。このように、夫の場合は離婚調停においては如何に自分の財産を守るかといったことに注力することが多くなります。
以上から夫が有責の場合の離婚調停がどのような展開になるかは容易にご想像が付くかと思います。
離婚調停には妥協も必要
上記のとおり離婚調停において100%満足のいく内容の調停調書を得ることは不可能と言ってよいでしょう。
自分の主張を調停委員に聞いてもらうことは大切ですし、聞いてもらうことで気分が晴れることもあるでしょう。
それは離婚調停がもたらす1つの効果ですが、お互いの主張だけ繰り返していても協議がまとまるどころか前進すらしません。
では、どうしたら離婚調停を有益なものにすることができるかについて考えてみましょう。
調停委員は妥協点を探りながらいろいろな提案をします。受け入れがたいものでなければ、その提案に乗っかるのもひとつの手です。
調停委員に対する心象も良くなりますので、次回以降の期日が自分にとって有利に展開することも期待できます。
何より離婚調停が短期で終結し晴れて離婚が成立すれば、気持ちもスッキリし期日のたびに受ける心労からも解放されます。
早期に次のステップに向けて前向きに頑張ることもできます。
まとめ
離婚調停の仕組み ~離婚調停のメリット・デメリット~(後編)
妻からの離婚調停
夫からの離婚調停
離婚調停には妥協も必要