「性格の不一致が理由で離婚できるのか?(前編)」では、 性格の不一致 に対する説明や性格の不一致を原因とする 離婚 が成立するのかご説明しました。
後編では、 性格の不意一致を理由とした場合の離婚の進め方、また離婚するために必要な証拠についてご紹介します。
性格の不一致が理由で離婚できるのか?(後編)
離婚の進め方
「性格の不一致」は法律上の正式な離婚原因としては認められていないため、夫婦間の協議や離婚調停で解決できずに裁判へと発展した場合には「性格の不一致」が民法で定められている「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するようなケースであると認められる必要があります。
双方が「性格の不一致」を感じており、離婚する方向で合意ができるようであればすんなりと離婚することが可能ですが、どちらか一方だけが「性格の不一致」を感じて離婚を切り出した際は難航するケースが多く見受けられます。
離婚までに時間と労力がかかる可能性があることはあらかじめ想定しておきましょう。
裁判に発展した際に「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」として認められるように、しっかり証拠を集め準備しておくとよいでしょう。
また、「性格の不一致」を感じていなかった方にしてみると、離婚を切り出されても理由に納得が出来ず、浮気や不倫など、別の理由を疑うケースもあります。疑われる行動にも気を付けるようにしましょう。
証拠をあつめる
夫婦間の協議や離婚調停で合意ができれば、「性格の不一致」が理由であっても証拠を準備する必要はありません。証拠が必要となるのは、夫婦間の協議や離婚調停では解決ができず、裁判に発展した場合です。
「性格の不一致」が「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するケースであることを証明する必要があります。
まず、重要な証拠となるのが「別居期間」です。「性格の不一致」では別居期間が証拠の一つとして重要視されます。
必要な別居期間に関する見解は1年~5年など幅はありますが、別居期間が長ければ長いほど婚姻関係が破綻していると判断されて離婚が成立する確率も上がります。
もう1点は、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当すると認められるような、浮気やDV、モラハラなどの証拠です。
メールやLINEでのやりとりや、喧嘩の様子を録音したもの、また普段から言われたことや出来事を日記として書き留めていたものも証拠として扱われます。
離婚を意識するようになった際は、上記のような証拠を集めることを意識的に行うとよいでしょう。
離婚を考える前に
性格の不一致を理由にした離婚は増加しつつあります。そもそも夫婦になる男女は違った家庭環境で生まれ育ってきて、一つ屋根の下で暮らす様になるのですから、価値観などが違って当たり前だと言えます。
離婚となると、特に子供がいる場合はデメリットも少なくありません。
性格の不一致からいきなり離婚を考えるのではなく、後悔しないためにも一度冷静になって考えてみることや、夫婦関係を修復する努力をしてみることが大切です。
子供中心の生活にしてみる、ペットを飼い始めたり、スポーツを一緒にはじめてみるなど、環境を変えてみたり、共感できることを見付けてみることなどが有効です。
また、そもそもなぜ相手を「人生を共にするパートナー」として選んで結婚したのか、を一度思い出してみるのもよいかもしれません。
まとめ
性格の不一致が理由で離婚できるのか?(後編)
離婚の進め方
証拠をあつめる
離婚を考える前に