離婚 し、財産分与をするにあたって頭の痛い問題は、 ローン の支払いが残っている物をどう分けるかです。カードローンやキャッシング、車に家やマンションなど、ローンの種類も人によってさまざま。それぞれどのように対処すればいいのでしょうか。
離婚する際にローンが残っている場合、取るべき行動は?
カードローンやキャッシングの場合
比較的気軽に、また配偶者に知られずに借りることのできるキャッシングやカードローン。知らず知らずのうちに金額が大きくなってしまいがちです。そもそも夫婦が背負った借金は生活のための費用と見なされて2人に支払い義務が生じるため、それぞれ半分ずつ支払うことになります。
しかしギャンブルなど、あきらかに生活費ではない用途に使われたときや、生活に見合わない高価な品を購入するために使われたローンに関しては、弁済の義務は借金をした本人のみに限られます。
ローンが夫婦の生活のために使われたのではないと証明するため、できれば普段から家計簿をつけておいて、どういったレベルの生活をしていたのかを証拠として残しておいた方がいいでしょう。
自動車ローンの場合
自動車ローンが残っている場合には様々なケースが考えられます。どちらも車を引き取らずに売った場合は、ローンから車の売却益を差し引いて、残りを2人で分けるのが一般的。ローンが売却益を上回り借金が残った場合でも同じです。
一方が車に乗り続ける場合は、車に乗る方が残りのローンを支払うケースが多いのですが、話し合いによっては、養育費や慰謝料の一部として車を手放す方がローンを払う場合もあります。
注意すべき点は、車の名義がどちらになっているかということ。車を使用する側の名義になっていれば問題ありません。しかし、車を手放しローンを払う側の名義になっていると、支払いが滞ったときに車が差し押さえられる可能性があるのです。
そうした事態を避けるためには、車を使用する者に名義変更するのが一番ですが、名義変更をする時にローン会社からローンの残りの一括返済を求められるので、あらかじめ別れる相手と話し合っておくことが重要です。
住宅ローンの場合
住宅は一生モノの大きな買い物。35年ローンなど、ローンを組む期間が長期に渡るため、離婚時に払い終わっていない方も大勢いるでしょう。財産分与に際しては車以上に揉めるケースも増えてきます。
住宅ローンの場合も基本的には自動車ローンと同じ分配の仕方になります。違うのは夫婦が共有名義で購入しているケースが多いことです。妻が夫の連帯保証人になっている場合もあります。
また高価な買い物であると同時に、離婚する時点での土地や建物の評価額よりローンの残債の方がはるかに高い場合も多いのが現実です。
車のように買い取り業者がいれば即座に売れるわけではないので、売りに出しても買い手が付かなければじりじりと値段が下がっていくばかり。そのため、離婚後も夫婦のどちらかが住み続けるパターンが多いのが特徴です。
夫が家を出て行って妻が住み続け、ローンの支払いは慰謝料代わりに夫が払うような場合、夫のローンの支払いが滞ると、債権者に差し押さえられてしまうリスクがあります。
そうなると妻は立ち退きを余儀なくされ、自宅は強制的に競売にかけられてしまいます。競売で付けられる価格は市場価格の6割から7割にしかなりません。これを防ぐためには離婚時に弁護士を入れたり、夫がローンを滞納しないように公正証書を残しておくかしましょう。
また任意売却をすれば抵当権や差し押さえが解除されるので、一般の市場価格で自宅を売ることができます。債権者としても安い競売より任意売却で済ませたい意向があるようです。
ローンの分担で揉めたときに注意したいこと
口約束には法的な拘束力がありません。後でトラブルにならないように、法的な効力がある公正書類を作りましょう。弁護士を介入させるのも一つの手です。
ローンに限らず財産分与そのものについて、離婚前にしっかり話し合って取り決めることが大切です。互いが納得できるように分与して離婚できれば、それが両者にとってベストの選択になります。
まとめ
離婚する際にローンが残っている場合、取るべき行動は?
カードローンやキャッシングの場合
自動車ローンの場合
住宅ローンの場合
ローンの分担で揉めたときに注意したいこと