離婚 というと、夫婦間に修復不能なずれが生じ、選択するものというイメージが強いのではないでしょうか。とはいうものの、実は多くの夫婦が、特に明確な理由がなく離婚していることも多いのが事実です。
理由がない 離婚とは、具体的にどのようなものを指すのでしょうか。
決定的な理由がないのに離婚を選択する夫婦とは
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離婚にはかならずしも理由が必要ではありません
離婚の原因としてよく耳にする「性格の不一致」は、たとえば
- 夫にデリカシーがない
- 妻の愚痴が多い
- 夫婦で笑いのツボが合わない
など、夫婦間で“合わない”や“不愉快”と感じるものがあるときに使える、いわば便利な言葉です。そして、離婚の原因としてもっとも多く聞かれるものです。
しかしこの「性格の不一致」による離婚が、「理由がない離婚」として該当するのです。
たとえばデリカシーのない人がいると仮定しましょう。その人の親も同様にデリカシーがない人である場合は、その人は育てられた親・環境の要因によって「デリカシーのない人」として成長してしまうのが、ごく当たり前のことだとは感じないでしょうか。
この場合、その「デリカシーのない人」には、おそらく悪気がありません。育った環境要因などにより、それをごく当たり前に行っている可能性があるからです。
しかし世間には、デリカシーがないことを許せない人もいます。そんな相反するふたりが一緒にいることを選んだとき、そのデリカシーに関するずれが蓄積し、いつか離婚理由となってしまうことがあるのです。
反対に理由が明確な離婚というのは、
- 不貞行為
- DV
など、行為を行った側に明らかな悪意が感じられるものを差します。
「なんとなく」でも一緒にいられないなら離婚は可能
性格のずれは他人同士でいればかならず生じるもので、反対に「完全に性格が一致する夫婦」のほうが希少なものではないでしょうか。
要するに夫婦関係の継続にあたって大事なのは、違った価値観や性格を受け入れ合えるかということです。
合わないと感じるものがあると、夫婦生活がどんどん楽しいものではなくなり、いつか破綻していくものです。夫婦関係が冷めるというのは、まさにこのことを差すのでしょう。
なお、離婚をする際にもっともメジャーな方法が「協議離婚」と呼ばれるものです。夫婦間で話し合い、合意のもとで離婚届を提出するという、シンプルな方法です。
夫婦関係がすでに冷めていて、話し合いで両者が離婚を承諾することができるならば、「性格の不一致=理由がない」ことを理由に、離婚が成立したということになります。
相手が離婚に応じない場合には明確な理由が必須
しかし、前述のとおり性格の不一致による離婚では、不快な思いをさせているほうに悪気がないこともよくあります。そのときは、離婚を言い渡された側の配偶者が、離婚に応じないという事態も充分に考えられるでしょう。
協議離婚ができない場合には、調停離婚・裁判離婚と駒を進めていくこととなりますが、この場合は「性格の不一致」による離婚が、難しくなってしまうのです。
専門機関を使った離婚では、DVや浮気など、明確な理由が必須となります。そういった事実がなく、それでも協議離婚が難しいという場合には、別居期間の長さによって「夫婦生活が破綻している」と判断されれば、離婚の判決がくだることもあるようです。
理由がない離婚でいつか後悔しないかを考えておきましょう
まず、夫婦で性格の不一致が見られることは、当然であると理解しましょう。育った環境や親、友人関係などがすべて合致しているふたりであれば、完全に性格が一致する可能性もなきにしもあらずですが、まず不可能です。
理由なく離婚してしまった場合には、いつか後悔する可能性があるということも覚えておきましょう。
「なんとなく離婚してしまった」「自分がもう少し大人だったら…」などと悔やんでも、相手を受け入れられずに離婚をしてしまったという事実は消えません。
夫婦とは、話し合いや喧嘩を経て、成長していくものです。そして性格が完全に一致しないからこそ、おもしろい部分があるというのも事実なのです。
夫婦としてできるかぎりのことをし、それでも無理だと感じる場合のみ、理由のない離婚は許されるのではないでしょうか。
まとめ
決定的な理由がないのに離婚を選択する夫婦とは
離婚にはかならずしも理由が必要ではありません
「なんとなく」でも一緒にいられないなら離婚は可能
相手が離婚に応じない場合には明確な理由が必須
理由がない離婚でいつか後悔しないかを考えておきましょう