離婚は時間的にも経済的にも、そして精神的にも大きく消耗するもの。できればあまり長い期間を争わずに、穏便に別れたいところです。
離婚 はその種類によって要する 期間 が違います。では協議離婚、調停離婚、裁判離婚など、それぞれどれくらい時間がかかるのでしょうか。
離婚の種類によってかなり違う?離婚成立までの期間の長さ
協議離婚の場合、離婚までの期間は千差万別
協議離婚は基本的に夫婦間での話し合いで行われます。そのため、離婚話がまとまればその日にでも離婚することは可能です。
しかし現実には財産分与や親権、養育費の取り決めや慰謝料などで対立することも多く、話し合いが長い期間にわたって行われるケースも多いでしょう。どうしても折り合いがつかない場合は、この後離婚調停や離婚裁判に持ち込まれることになります。
離婚調停にかかる期間はどれくらい?
離婚調停は申し立てをしてから1カ月から1カ月半後に1回目が行われ、2回目以後も同様に1カ月から1カ月半に1回のペースで行われます。
調停は通常、男女1人ずつの調停委員が夫婦の話を別々に聞いて、それを元にもう一方の配偶者と話し合う形式で、数回は繰り返されるパターンが一般的なため、成立するまでの期間は約4カ月から1年ほどかかることが多いようです。
調停離婚の場合、離婚成立の日から10日以内の期間内に離婚届を提出する義務が生じます。届け出は基本的に申立人がすることになっており、この期間を過ぎると罰金が科せられる場合があるので注意しましょう。
調停の期間が長引くケースとしては、配偶者が出頭を拒否する場合が挙げられます。調停では夫婦の双方から話を聞くことが義務付けられています。よって、どちらかが出頭してこないと解決の道を探ることができず、その結果調停不成立になる確率が高いのです。
裁判所側は出頭しない配偶者に対し、複数回にわたって出頭勧告を出したり、家裁の調査官が訪問し出頭を促したりします。それでも相手が応じない場合は、5万円以下の罰金を科しますが、それ以上の強制力はありません。
そうなると申し立てた側には調停を取り下げる、もしくは調停不成立ということで離婚裁判を行う道しか残されていないのです。
離婚裁判にかかる期間は調停よりやや長い
離婚訴訟から結審までにかかる期間は、ケースによりますが、大体6カ月から1年半かかると言われています。
離婚裁判の場合も離婚調停と同じく、離婚請求を認める判決が出てから10日以内に離婚届に必要書類を添えて提出することが義務付けられています。その際の手続きを行うのは基本的に原告です。
離婚裁判の判決に不服がある場合は、2週間以内に控訴することが可能です。第2審では、家庭裁判所から高等裁判所へと舞台が移されます。ただし控訴すればますます時間と費用がかかることになるでしょう。
離婚が成立するまでに長い期間がかかるその他の事例
配偶者の行方が分からなくなり生死不明になった場合は、3年が経過した時点で理由や原因を問わず、裁判で離婚が認められます。
その場合3年の起点は、最後に本人から連絡を受けたときや、最後に姿を見かけたとき、生存の情報を最後に聞いたときなど、生存を証明する最後の事実があったときからということになります。
ただし所在が不明であっても、親族や友人、仕事の関係者などから「連絡を受けた」「似た人物を見た」という証言があると、生死不明ではなく行方不明扱いとなり、この理由での離婚は認められません。
そうしたケースでは離婚事由を行方不明になった配偶者による「悪意の遺棄」か「婚姻を継続しがたい重大な事由」として家庭裁判所に申し立てをすることになります。
なお配偶者の行方が7年以上不明になった場合は、家庭裁判所に失踪宣告の申し立てをします。それが認められると婚姻を解消することができるのです。
このとき行方不明の配偶者は死亡したとみなされるため、残された夫や妻は遺族となり、遺産の相続や再婚も可能になります。
しかし行方不明だった配偶者の生存が確認された場合、失踪宣告は取り消されます。そうなると婚姻関係も復活し、もし再婚していた場合はそちらは無効とみなされるので注意が必要です。
再婚の可能性があるなら、失踪宣告より離婚裁判を選んだ方が、後に禍根を残さずに済むでしょう。
いずれにせよ法的に保障された関係を解消するのが離婚というもの。短期間で片が付くと楽観せず、ある程度の時間を消費することは覚悟しておいた方がよさそうです。
まとめ
離婚の種類によってかなり違う?離婚成立までの期間の長さ
協議離婚の場合、離婚までの期間は千差万別
離婚調停にかかる期間はどれくらい?
離婚裁判にかかる期間は調停よりやや長い
離婚が成立するまでに長い期間がかかるその他の事例