日本においては、離婚することで問題の解決を図る夫婦が増えているようです。その傾向は離婚率の上昇に裏付けられていて、いとも簡単に離婚という選択肢を選ぶ夫婦が実際に増えているのです。とは言え、こうした 離婚 に対する考え方には世代や環境によって大きな違いがあるようです。
こうした個々の夫婦が持つ背景が「離婚」という決断を下すまでの過程でどのように作用するのか、これから考えてみることにしましょう。
増加する日本人の離婚。その背景には何がある?
相手方への不満が原因の離婚
配偶者への不満を募らせて、それが我慢の限界を超えた時に離婚に至るというケースです。夫婦それぞれ原因は違っても、要は相手に対して不満があるために離婚を決断するということになります。
配偶者への不満が原因になっていることから、円満に離婚ができるケースばかりとは限りません。時には離婚調停や離婚裁判といった、芸能ニュースでよく聞く「泥沼の争い」なる方向に進むことも考えられます。
そのような困難を乗り越えて離婚さえすれば、人生の再スタートが切れると考えると、自然とエネルギーが湧いてくるものかもしれません。
このように最もエネルギーを使う離婚形態ですので、離婚までの過程で精根尽きて、離婚したことで満足してしまう。つまり離婚がゴールになってしまわないよう注意が必要ですね。離婚は新しいステップを踏み出すための過程に過ぎないのですから。
夫婦ともに望まない離婚
まれに「離婚をしたいわけではないのに仕方なく…」といった夫婦もいます。「自分は別れたくないのに相手から離婚を切り出された。」ということではなく、双方が本当は別れたくないと思っているにもかかわらず、離婚を選択せざるを得ないということです。どうしてそのようなことになるのでしょう。
例えば、夫が経営する会社が銀行から1,000万円の融資を受けていたとします。もし夫の経営する会社が倒産したらどうなるか考えてみましょう。銀行から融資を受ける際、経営者である夫は連帯保証人になるのが一般的です。
連帯保証人である以上、夫が倒産した会社に代わってお金を返さなければなりません。貯金は1,000万円ありますが、その貯金を全て銀行への返済に充ててしまってはこれから生活が立ち行かなくなります。そのような時に離婚を検討することになります。
離婚をすれば財産分与で財産の半分を配偶者が受け取ることができます。その仕組みを使って貯金の半分500万円を離婚した妻に分与します。
離婚した妻に借金の返済義務はありませんから、500万円は離婚した妻の固有財産になります。離婚はしたものの内縁関係を継続すれば、その500万円で生活を立て直すこともできるかもしれません。
若い世代の離婚
結婚した3組に1組が離婚する。今の日本はそのような状態になっていますが、これで世界の平均的な水準です。ただ、これには数字のマジックがあって巷の夫婦が平均して3組に1組離婚しているわけではありません。
どういうことかというと、若年層の離婚率が突出して高く、全体の離婚率を押し上げているのです。20~24歳女性では40%以上、19歳以下の女性に至っては約60%という離婚率の高さです。
若い世代は離婚に対して比較的寛容と考えられていますが、この結果を見ると他にも理由があるようです。
その理由がいわゆる「できちゃった婚」。15~19歳で81.7%、20~24歳で58.3%に上り、離婚率の高さに比例して若年層での「できちゃった婚」の割合が高いのです。
こうした妊娠をきっかけとした結婚には見切り発車的要素があり、結婚してから「こんなはずではなかった!」ということになる夫婦が多いことが推測できます。
中高年の離婚
最近では熟年離婚という言葉もすっかり定着したように思います。それは中高年の離婚が一般化していることの裏返しということでしょう。中高年の離婚は近年増加傾向にあるようです。
その背景には、年金分割制度の整備によって、離婚後も年金を受け取ることができるようになったことがあるようです。
それまでは経済的な不安から離婚を思いとどまらざるを得ない状況にあった人が、年金分割制度の整備をきっかけに離婚を考えるようになったと考えられます。夫の定年や子供の自立をきっかけに、妻が離婚を切り出しやすい環境になったということですね。
まとめ
増加する日本人の離婚。その背景には何がある?
相手方への不満が原因の離婚
夫婦ともに望まない離婚
若い世代の離婚
中高年の離婚