家を購入する際、不動産会社から任意売却の物件を案内されることもあります。また、安く購入できると聞いて興味をもたれる方も多いのではないでしょうか。しかし任意売却の物件は、一般物件とちがいさまざまな特徴があることが事実です。
今回は、 任意売却 の 物件 にあてはまるメリットデメリットをみていきます。
任意売却の物件を購入の前に!メリットデメリットを知ろう
任意売却の物件と一般物件とのちがい
任意売却の物件は、住宅ローンを返済できなくなった人がやむなく売却した物件です。つまり、ローンが残っている状態の物件をさします。対して一般物件は、ローンが残っていない状態の物件です。
以上のように任意売却の物件は、一般物件にくらべ購入者にとって少なからずリスクを含んでいることは否定できません。そのため、任意売却の物件を購入する際はメリットデメリットそれぞれをしっかり把握したうえで購入するべきです。
任意売却の物件のメリット
一般物件よりも安く購入ができることです。任意売却の物件は、6か月~9か月経過した場合、競売にかけられてしまいます。競売にかけられた物件は、価値が大幅にさがってしまうのです。
そのため売る側は、競売にかけられる前に任意売却の物件を売却したいと考えています。また売る側は、瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)を負う必要がありません。
以上の理由から任意売却の物件は、一般の物件より3割ほど安い金額で購入することができるのです。
任意売却の物件のデメリット
任意売却の物件のデメリットは以下の5つです。
- 購入契約が成立しても取引が中止になることがある
- 価格交渉が難航する
- 物件に瑕疵(欠陥)があった場合、修繕費は購入者が負担しなくてはならない
- 一般物件と価格が変わらないことがある
- 管理費、修繕積立金が滞納されている場合は購入者が負担しなくてはならない一つずつ見ていきます。
購入契約が成立しても取引が中止になることがある
債権者(お金を貸している側)である銀行と、交渉がうまくできていても安心はできません。理由は、債務者(お金を借りている側)が多重債務であれば、銀行以外の債権者が任意売却の物件を差し押さえてしまうことがあるのです。
その場合、銀行を含むすべての債権者との交渉をやりなおす必要が出てきます。そのため交渉には非常に時間がかかり、難航することも多いのです。結果、取引が中止になるケースも少なくありません。
価格交渉が難航する
任意売却の物件において、売買価格は債権者の合意をえる必要があります。任意売却の物件は、売却できてもローンが残る場合があるようです。そのため債権者は、できるだけ回収不能な金額をなくしたいと考えています。
特に住宅ローンを組んでまもない物件であれば、債務者、債権者ともに高い売買価格を希望することが多いのです。したがって、債権者が同意するまで価格交渉をする必要があるため、時間がかかるケースが少なくありません。
物件に瑕疵(欠陥)があった場合、修繕費は購入者が負担しなくてはならない
一般物件の場合、物件に欠陥があることが判明してから1年以内であれば、売主に対して侵害賠償を請求することができます。
しかし任意売却の物件は、購入後に欠陥が判明しても売主に損害賠償はできません。そのため修復にかかる費用は全額、購入者が負担しなければならないのです。
一般物件と価格が変わらないことがある
ローンを組んで間もない物件や、高額ローンを組む際に担保にされた物件であれば、債権者はできる限りお金を回収しようと考えます。したがって一般物件と価格がかわらない物件もあるようです。
また、立地条件や周りの環境がよい場合、購入希望者どうしの競争によって一般物件とかわらない価格で売買されるケースもあります。
管理費、修繕積立金が滞納されている場合は購入者が負担しなくてはならない
マンションが任意売却の物件である場合、売主が管理費や修繕費を滞納していることもあります。また、駐車場代、駐輪場代もあわせて滞納しているケースもあるようです。
任意売却のマンションを購入する際、上記の滞納金のすべてを購入希望者が負担することを条件として提示されることが少なくありません。したがって任意売却のマンションは、そのことを理解したうえで購入する必要があります。
一般物件と違うからこそ慎重に
メリットよりデメリットが多く、購入に対してマイナスイメージがあることは否定できません。しかし、立地条件や価格、個人のスタイルに合う任意売却の物件であれば、前向きに検討ができることでしょう。
まとめ
任意売却の物件を購入の前に!メリットデメリットを知ろう
任意売却の物件と一般物件とのちがい
任意売却の物件のメリット
任意売却の物件のデメリット
一般物件と違うからこそ慎重に