家を購入する際、新築と中古がありますが、できるだけ安く買いたい場合は、中古を選ぶことが一般的です。中古の物件には「任意売却物件」がふくまれていることが多いようです。しかし、安いだけで購入してしまうと思わぬリスクが潜んでいるかもしれません。
そこで今回は 任意売却 物件の特徴をみていきます。
任意売却物件を購入する前に特徴を知ろう
任意売却とは?
任意売却とは、不動産が競売にかけられる前に債権者(お金を貸している人)と交渉することにより、一般の不動産と同様に売却することが特徴です。
競売より任意売却のほうが高い金額で売却できるため、債務者(お金を借りている人)の借金をできるかぎり減らし、債権者が少しでもお金を回収することを目的としています。
任意売却物件購入する際のメリット
任意売却物件は、一般の物件より2割~3割ほど安く購入できることにあります。例えば一般物件で2,000万円の価値がある物件の場合、任意売却物件であれば1,7000万円~1,800万円で購入できる、というわけです。
安く購入できる理由は2つです。1つめは、任意売却物件の場合、きめられた期間内に物件を売却する必要があるため。2つめは、瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)が免責されることにあります。※瑕疵担保責任についてはのちに説明します。
任意売却物件購入する際5つのデメリット
任意売却物件を購入する際のデメリットは以下のとおりです。
- 売る側は瑕疵担保責任が免責になる
- 価格の合意までに時間がかかる
- 一般物件と価格が変わらないときもある
- 管理費、修繕費は買う側の負担
- 債務者が残していった荷物が残っている場合がある
まず1つめの「売る側は瑕疵担保責任が免責になる」ですが、瑕疵とは欠陥、不具合という意味です。具体的には、「雨漏り」「シロアリによる侵食」「家、基礎がかたむいている」があげられます。「免責」とは、「責任を免れる」という意味です。
つまり、任意売却物件を購入後、物件に欠陥が見つかっても買う側が修理費を負担することになります。購入する前には、物件の状況を確認し、売る側から購入予定の書類をもらうことが大切です。
2つめの「価格の合意までに時間がかかる」ですが、任意売却物件の価格は、債権者の判断に依存する割合が多くをしめています。さらに、できるだけお金を回収しようとするため決済までに時間がかかってしまいます。
3つめの「一般物件と価格が変わらないときもある」ですが、物件の立地条件によっては、買い手が多い場合は競争もありえます。ですから、一般の物件と価格が変わらない場合もあるわけです。
4つめの「管理費、修繕費は買う側の負担」ですが、任意売却物件が中古マンションの場合にあてはまります。債務者は管理費、修繕費のほかに、駐車場費や駐輪場費を滞納しているケースが多いのです。
それらの費用は、買う側が払うことになっており、想定していた以上に費用がかかってしまうことが少なくありません。
最後の「債務者が残していった荷物が残っている場合がある」についてです。原則、荷物は債務者が処理をしてから物件をでていくことになっています。しかし、処理をせずにでていってしまう場合があるようです。
その物件を購入した人が、債務者の生活跡を見ることにより少なからずショックをうけてしまうケースもあります。
メリットとデメリットは表裏一体
任意売却物件のメリットである価格の安さは、「瑕疵担保責任の免責」です。しかし、購入する場合、「瑕疵担保責任を負う」側になることになります。
不動産業者によっては、任意売却物件のメリットだけを説明し、デメリットを説明せずに売るといったケースも少なくありません。
任意売却物件は、債務整理の専門知識や、債権者との交渉などの専門性がもとめられます。購入の際は任意売却物件を専門にあつかう不動産業者が存在しますので、リスクを回避するために利用することも検討するべきかもしれません。
まとめ
任意売却物件を購入する前に特徴を知ろう
任意売却とは?
任意売却物件購入する際のメリット
任意売却物件購入する際5つのデメリット
メリットとデメリットは表裏一体