「これってモラルハラスメント?見えない原因も知りたい!(前編)」では、モラルハラスメントとはどのような状態のことであるのか例題とともにご紹介いたしました。後編では、 モラルハラスメント の特徴や 原因 についてご説明いたします。
あなたがもし被害者であるなら、すみやかに加害者とは距離をおくことをお勧めします。
これってモラルハラスメント?見えない原因も知りたい!(後編)
モラルハラスメントの始まり
最初からパートナーがこんな人だったら、そもそも結婚なんてしてなかったと思います。
モラハラ加害者は、それまでの人生で獲物の見つけ方や捕らえ方を学んでいます。コミュニケーション能力という技法で、親と、家族と、友人と、恋人と…そして、自分にとってどんな相手が最適な獲物かを理解しています。
そして最適な獲物が現れると、なんとしてでも手に入れるためにものすごく優しかったり、不幸な境遇の話をしてあなたの同情を誘ったりと、まさに手練手管でなりふり構わずあなたに愛を伝えます。そして、あなたがしっかりとワナにかかってから、じっくりと痛めつけるのです。
なぜ被害者は逃げられないのか
モラルハラスメントは、被害者の逃げ道がなくなってから始まります。ある意味加害者から完全な信頼を得た瞬間とでも言うのでしょうか?コイツは自分から逃げないと確信される瞬間…結婚であったり、妊娠であったり、ささいなキッカケであったりします。
ジワジワと実家と疎遠にさせられたり友達と連絡を取ると不機嫌になったりして、まず相談相手を奪い被害者を孤立させます。そして、じっくり相手の人格を端から端まで否定し、被害者に「自分が悪い」と思い込ませます。
被害者は自分をひたすら否定されまくり心がズタズタになりながら「こんなダメな自分にはこの人しかいない」や「この人は本当はいい人だから…」と加害者やその言動を客観視できずかばうようになります。
否定や罵倒が過ぎると急に優しくなって、時には泣いて謝られたりもしますが、それもアメとムチのようなコントロールの一環です。
また、被害者が「自分さえ耐えればいつか相手が変わってくれる」と思っているケースもあります。
なぜ加害者は変わらないのか
最近の研究から、モラルハラスメントの加害者に多い脳のタイプが解明されつつあります。
モラルハラスメントの加害者の多くは「自己愛性人格障害」という精神疾患を抱えていますが、この疾患は 前頭葉の機能障害だということがわかってきています。
人間の「心」は脳の中の、前頭葉と扁桃体というところで作り出されます。前頭葉では理性を、扁桃体では感情を司っています。その、前頭葉の機能に障害があることで理性での抑止が効かず感情がむき出しになってしまうという症状が現れます。
このように、原因が脳の機能障害にあるのでは、治らないのです。ただし、全ての加害者の原因が脳の機能障害なわけではないようです。精神科の治療によって加害者の症状が改善されたりすることもあります。
心が壊れてしまう前に
もし、心当たりはあるけど自分が受けているのはモラハラではないのでは?この程度はどこの夫婦も同じようなものなのでは…と思ったら、ちょっと確認してみることを下にまとめます。
「あなたは朝、夫が起きてくると緊張しませんか?」「物事の全てで、夫が喜びそうな答えを探してはいませんか?」「夫の発言は全て正しいと思っていませんか?」「夫のご機嫌を常にとっておかないと後が大変だからと思っていませんか?」「いつかは夫も私が傷ついていることに気づいてくれる…と思っていませんか?」
モラルハラスメントで加害者になる人には、最初から獲物(妻やその他の人間)を人間として扱う感性は残念ながら存在しないのです。よって、加害者の近くにいる限り状況は改善されないと言えます。あなたがもし被害者であるなら、すみやかに加害者とは距離をおくことをお勧めします。
まとめ
これってモラルハラスメント? 見えない原因も知りたい!(後編)
モラルハラスメントの始まり
なぜ被害者は逃げられないのか
なぜ加害者は変わらないのか
心が壊れてしまう前に