モラルハラスメント という言葉は知っていても自分には関係ないことだと思っている人は多いでしょう。しかし職場や部活動などで上司・先輩から威圧的な指導を受けたという経験なら多くの人が「ある」と答えるのではないでしょうか。
肉体的な暴力を伴わないモラルハラスメントは判断の基準が難しいものです。特に夫婦間においては家族以外の目に触れにくいということもありモラルハラスメントがどんどんエスカレートしてしまいがちです。どうしたら被害者を救えるのでしょうか。
自覚がないだけかもしれない?身近すぎるモラルハラスメント(前編)
加害者も被害者も自覚がないだけ?
モラルハラスメント(モラハラと略される)は精神的な嫌がらせのことです。相手を自分の思い通りにするために相手の人格を否定するようなことを言ったり、罵倒・無視などをします。
日常的にこうした行動をされ続けることで被害者は自信を喪失し正常な判断力が失われてしまいます。理不尽だと思いながらも加害者の言いなりになってしまうのです。
肉体的な暴力(DV)を伴うケースでは当事者も自覚があり第三者からも認識されやすいのですが、精神的に受けた心の傷やストレスは目に見えないものなので被害の状況が分かりづらいものです。
加害者だけでなく被害者すらも自分が「モラルハラスメントを受けている」という自覚がないことも珍しくありません。それはなぜでしょうか。
日常にハラスメントのある環境は連鎖する
「暴力はいけないこと」というのは誰もが幼い頃から言い聞かされて育ちます。人に手を上げたり蹴ったりすることに対して多くの人は抵抗があるはずです。そして誰かから暴力を受けたときには痛みを感じると共に精神的にもショックを受けます。
それがひどい暴力でなくても悪意のある痛みには敏感に反応するものです。しかし幼い頃から日常的に暴力行為が身近にある環境で育ったとしたらどうでしょうか。
暴力によって支配されるということに対して「恐怖感」はあっても、暴力=支配という構図がその人にとっては当たり前になってしまうのです。
モラルハラスメントにも同じことが言えます。理不尽な暴言や精神的ないじめに対しては多くの人が拒否反応を覚えるものですが、それらの行為が身近にある環境で育った人にとってはそれが当たり前になってしまうのです。
大人になってからも体育会系の部活動や職場の新人教育などでは「指導」という名目で様々なハラスメントが横行していることは周知の事実で、時折ニュースになりますが決してなくなりません。
このような環境の連鎖は断ち切ることができないのでしょうか。
まとめ
自覚がないだけかもしれない?身近すぎるモラルハラスメント(前編)
加害者も被害者も自覚がないだけ?
日常にハラスメントのある環境は連鎖する