モラハラの被害に遭っている女性の相談をネット上でもよく見かけます。その一方で、実はモラハラの加害者であることに悩む男性も少なくありません。しかし加害者であるがために誰にも相談できずにいる場合が多いのです。
モラハラ 加害者 でなくなるために、どうすれば良いのか考えていきます。
モラハラ加害者であることに悩む男性へ
モラハラの定義
モラハラとDV(ドメスティック・バイオレンス)はどう違うのかという問いがよく論じられます。多くはDVの中の精神的暴力であると定義づけています。
しかし言葉の響きから、DVより軽いもの、DVほどではないものという捉え方があるのも事実です。ここでは、「モラハラは身体的暴力を除いたすべてのDVである」とはっきりと定義づけることにします。
なぜなら、それは相手の人権を冒し、人格を完全に否定し、時には人格を崩壊させてしまうものだからです。加害者側はこのことをまずしっかりと自覚して下さい。
生育歴との決別
モラハラの加害者の生育歴をみると、自分の父親もまたモラハラの加害者であったという人が大変多いと言われています。封建的で理不尽な命令をする父親、黙ってそれに従う母親。幼少の頃からそれが当たり前の環境であったならば、自分もそのようになってしまう可能性は大いにあります。
また、父親不在の家庭(本当にいない場合に加え、いるけれど不在がちまたは存在感が極めて薄く、いないも同然の場合なども含めます)であった場合、本人が小さい頃からその家の「君主」のようになり、母親や祖父母に理不尽な命令をし、服従させるという図式が成立してきたという事例も少なからずあります。
しかし、モラハラの加害者である自分を変えたいと思うのであれば、まず自分の育った環境を切り離して考えることから始めて下さい。あなたの父親はあなたの父親であって、あなたではありません。「君主」であるかのように育ったとしても、あなたは君主ではありません。
パートナーとの二人三脚
一般的にモラハラは治らない、だからそんな男性とは別れたほうがいいと言われています。被害者側からすれば当然の選択でしょう。しかし、相手と別れたくないから被害者も加害者も悩むのです。どうしたら二人の関係を良いものにできるのでしょうか。
前述したように、加害者側はまず自分がしているモラハラはDVであると自覚して下さい。そして自分の生育歴のせいにしないためにも、育った環境は原因や対策から切り離して下さい。
大切なのは、責任はすべてモラハラ加害者である自分にあるということを認める覚悟です。「自分の父親も同じだったが、母親はそれに黙って服従していた」「相手が間違ったことをしたから(または言ったから)自分はこのような態度に出た」というのはモラハラ加害者の典型的な言い分です。
しかし、そうではありません。理不尽に暴言を吐くなど相手の人格を否定するような行為の原因を周囲に求めてしまえば、そのモラハラは自分の中で正当化されたも同然です。
原因は周囲にではなく自分の中にだけあることを、つらくても認めて自省して下さい。モラハラが行為として出るたびに相手は深く傷ついています。相手も苦しみに耐えていることを忘れてはなりません。
やり直したいと思っているのですから、決して相手を大切に想っていないわけではないはずです。モラハラの加害者でなくなるのは、容易なことではありません。しかし、相手の人格を壊してしまうかもしれないことを考えれば必ず抜け出せるはずです。
そうでないならば、一刻も早く別れてあげるべきです。
最後に
好きで一緒になった相手でも、気に入らないこともあれば波長が合わない時もあります。けれども暴力では何も解決しません。支配と服従の関係は、どちらにとっても不幸でしかありません。相手を大切に想うのなら、あなたが変わるしかないのです。
そして何よりモラハラの被害者となりながらも、大切なあなたのために一生懸命頑張ってくれる相手に対して感謝の気持ちを絶対に忘れないで下さい。二人が再び本当の笑顔を取り戻し、手を取り合って前に進める日が来ることを祈っています。
まとめ
モラハラ加害者であることに悩む男性へ
モラハラの定義
生育歴との決別
パートナーとの二人三脚
最後に