結婚した時に、夫を筆頭者として作った戸籍。離婚すれば妻はその戸籍から抜けることになります。しかし、離婚するだけで自動的に妻の戸籍が作られるわけではありません。
離婚後に必要な戸籍に関する手続き、 戸籍 謄本 ・ 抄本 の記載事項についてみてみます。
離婚に伴う戸籍謄本・抄本の手続きと、離婚後の記載事項
離婚後に戸籍をつくる3つのパターン
一つ目は、もと居た戸籍に戻ることです。本籍地が同じ市内であればこの方法でも不都合はありませんが、市外・県外の場合は、戸籍謄本・抄本が必要な時にその本籍地で取得する必要があることを知っていてください。
もと居た戸籍自体が除籍されている(戸籍を構成する人が亡くなったり、戸籍から抜けたりして一人も居なくなった場合など)と、戻ることはできません。
戻る戸籍が無い、本籍地が遠方になってしまう場合には、二つ目の方法として、新しい戸籍を作ることができます。
本籍地をどこにするかも選択することができるので、離婚後の拠点となるところを本籍地とすれば、その後戸籍謄本などが必要になったときに近くの役所で取得できる点がメリットです。
ここまでのパターンでは旧姓に戻って戸籍を作る方法でしたが、婚姻時に名乗っていた姓を離婚後も使うことができる三つめの方法があります。
離婚後3カ月以内に市区町村役場に届け出をしてから婚姻時の姓を使って新しい戸籍を作ることができます。この届出をするにあたって離婚した相手側の許可は必要ありません。
ただし、離婚後3ヶ月を過ぎてしまうと家庭裁判所に氏の変更許可の申立をしなければいけなくなりますので、離婚後に速やかに行うようにしてください。
子供の戸籍は離婚後どうなるのか
子供の戸籍は親の離婚後も変動しません。勘違いしている人が多いのですが、離婚届の「妻が親権を行う」欄にチェックをいれることで、自動的に親権者である妻の新しい戸籍に子供が異動してくるわけではありません。
婚姻時に夫を筆頭者に戸籍を作っていた場合には、その戸籍に子供は残り、妻だけ除籍され別の戸籍を作ることになるからです。
子供の戸籍を変更するには、家庭裁判所に「子の氏の変更許可審判申立書」を提出します。妻が婚姻時の姓を使って新戸籍を作っている場合にも、子供と姓は同じですがこの手続きは必要です。
この手続きを行って、裁判所から許可する旨の文書が送付されてきます。この文書を持って、市町村役場で「入籍届」を提出することにより、子供が妻側の戸籍に入る手続きは完了します。
戸籍謄本・抄本に記載される事項とは?離婚歴は記載されるのか
戸籍謄本は、その戸籍に入っている全員の情報が記載されたものです。出生日や戸籍の中の続柄などがすべて記載されています。各役場で発行の手続きをするときに、戸籍謄本は「全部事項証明」の欄にチェックを入れることで取得することができます。
戸籍抄本は、戸籍の中の個人の情報のみが記載されたものです。個人がいつどこで出生したのか、どこから除籍されて入籍してきたのかがわかります。戸籍抄本を発行したい場合は「個人事項証明書」の欄にチェックを入れることで取得することができます。
離婚したあとの戸籍謄本・抄本には「〇〇(夫)と協議離婚届け出」という文言が記載されています。離婚後の新戸籍にも、元夫と離婚し、新しい戸籍に入籍したということが記載されるということです。
子供の戸籍謄本・抄本についてはどうでしょうか。離婚したあとの子供の親権者がどちらになった場合でも、「平成〇年〇月〇日親権者を母(父)と定める旨届け出」という文言が記載されます。
夫が親権者となり、夫の戸籍に残していてもこの文言は記載されるということです。離婚というワードではありませんが、両親が離婚したことを容易に推測できる文言が、両親の離婚により子供の戸籍抄本にまで記載されてしまいます。
まとめ
離婚に伴う戸籍謄本・抄本の手続きと、離婚後の記載事項
離婚後に戸籍をつくる3つのパターン
子供の戸籍は離婚後どうなるのか
戸籍謄本・抄本に記載される事項とは?離婚歴は記載されるのか