皆さん「家事ハラ」という言葉を聞いたことがありますか?「セクハラ」「パワハラ」「モラハラ」などと同じ一種の嫌がらせのことで、この家事ハラに悩まされる男性が増えつつあるようです。
今回は、この新しいハラスメント「 家事ハラ 」の実態について、詳しく解説いたします。
夫を悩ます!?妻からの家事ハラの実態に迫る
家事ハラには2つの意味が
ひとつめの意味としては、2013年に岩波新書から発刊された「家事労働ハラスメント―生きづらさの根にあるもの(竹信三恵子著)」によって、「家事労働を担う人びとを蔑視・無視・排除していく社会システムによる嫌がらせ」と定義されたものがあります。
もうひとつの意味として「へーベルハウス」でおなじみ、旭化成ホームズの「共働き家族研究所」が展開した広告にて、「家事に対する何気ないダメだし」を「家事ハラ」とネーミングしたものがあります。ここでは、後者の「家事ハラ」について説明いたします。
家事ハラでやる気をなくす夫
旭化成ホームズが行った調査によると、自宅で家事の手伝いをする夫の割合は9割を超えて(93.4%)いるということです。この結果から、夫の家事への参加意欲が非常に高いことが伺えます。
こうして夫が積極的に家事に参加しようとしている一方、「やり方が違う」「やり方が雑、下手」「かえって手間が増える」などと、手伝った挙句に妻から怒られてしまう、つまり家事ハラを受けてしまう夫も中にはいます。
このように家事ハラを受けた際に、実に9割(89.6%)の夫がやる気を失ってしまうということが、調査結果からわかりました。
7割の夫が経験する、妻からの家事ハラ
では、どの程度の夫が家事ハラを体験しているのでしょう。
夫が家事参加をしている約9割の共働き夫婦の夫への調査で、妻から家事ハラを受けたことがあると回答した夫の割合は約7割(65.9%)にも上ることが分かりました。回答の内訳は以下のようになっています。
- 必ずある:8.0%
- よくある:15.8%
- たまにある:29.7%
- 一度くらいはある:12.4%
「必ずある」「よくある」といった高頻度での家事ハラ経験者が23.8%にも上ります。実に多くの共働き夫婦の間で、家事ハラが行われている実態が明らかになりました。
家事ハラ経験があっても8割の夫婦が仲良し
一方で、このようなデータもあります。
家事ハラを経験したことがある夫婦の夫と妻それぞれに、夫婦仲について尋ねてみたところ、以下のような結果になりました。
夫からの回答
- とても仲が良い:17.6%
- どちらかと言えば仲が良い:64.6%
妻からの回答
- とても仲が良い:26.8%
- どちらかと言えば仲が良い:58.0%
家事ハラを経験したことのある夫の82.2%、妻の84.8%が「仲が良い」と回答する意外な結果になりました。これを30代と40代の年代別で比較しても同様の傾向を示していることから、妻からの家事ハラが夫婦の仲に決定的な影響を及ぼすとまでは言えないようです。
家事ハラの発生しやすい家事とは?
次に、夫が手伝ってくれる家事のどのような点に妻は不満を持っているのか、考えてみることにしましょう。妻からの家事ハラが発生しやすい家事について調べてみました。
家事ハラを経験したことがある夫には妻から家事ハラを受けたことがある家事の内容を、妻には夫に家事ハラをしてしまったことがある家事の内容について尋ねたところ、以下のような結果になりました。
夫からの回答
1位:食器洗い(50.8%)
2位:洗濯物干し(35.4%)
妻からの回答
1位:食器洗い(39.0%)
2位:洗濯物干し(38.3%)
このように、割合は異なるものの順位は同じという結果になりました。
まとめ
夫を悩ます!?妻からの家事ハラの実態に迫る
家事ハラには2つの意味が
家事ハラでやる気をなくす夫
7割の夫が経験する、妻からの家事ハラ
家事ハラ経験があっても8割の夫婦が仲良し
家事ハラの発生しやすい家事とは?