離婚で一番もめる原因とも言える親権問題ですが、調停や裁判になったとき親権問題に関わる重要人物として、 家庭裁判所調査官 の存在があげられます。彼らの調査結果は、なによりも決定権を持っていると言っても過言ではありません。
彼らは具体的にどのような立場なのでしょうか。
家庭裁判所調査官は親権を勝ちとるために必要な要注意人物!
家庭裁判所調査官が親権問題に関わる範囲
親権問題が協議で決まらなかった場合、調停や裁判になってしまうことも珍しくありません。とくに親権はお互いに譲ることができないため、深刻化しやすいです。
そのようなときに間に入ってくれるのが、家庭裁判所調査官です。どちらの親に親権を渡すかという決定権までは持っていませんが、判断材料にする各親の生活環境などの調査をしたり、ある程度の年齢に達していれば子供側の意見を聞くこともあります。
調査内容とは?
家庭裁判所調査官やお住まいの裁判所によって多少違いはあると思いますが、父母それぞれに子供について聞き取り調査が行われます。今までの成長の過程、学校・幼稚園・保育園での様子、親として子供とどのように接しているかなど、事細かに聞かれることが多いです。
その他に、今現在暮らしている家や学校・幼稚園・保育園へ家庭裁判所調査官が直接訪問する調査が行われる場合もあります。争われている事案にもよりますが、一緒に暮らしていないほうの父母の家に訪問調査が行われることもあります。
家への訪問調査で見られるところは、普段子供が家でどのように生活しているのか、掃除は行き届いているのか、子供の部屋はどうなっているのか、もし親意外に祖父母も一緒に暮らしている場合は、祖父母が子供にどのように接しているのかなど、多様に隅々まで見られます。
細かいところで言えば、トイレなども調査対象になります。トイレは意外と生活感がでる場所なので、気を抜かずにきれいにしておくことをおすすめします。
家や学校などの調査は少し気が引けてしまう部分もありますが、学校生活や日常生活の様子についてよくわかる方法なので、こちらの調査が行われることはとくに珍しいことではありません。
むしろそのようなケースが増えていると言っても過言ではありませんので、学校や幼稚園・保育園側もしっかり対応してくれることでしょう。
親権の決定権までは持っていない
家庭裁判所調査官は、調査書として調査した内容を事細かに記したものを作成します。親権の決定権までは持っていない調査官ですが、作成した調査書は親権を大きく左右するほどの効力を持っています。
最終的に親権をどちらにするのか決定するのは裁判官ですが、その調査書を元に考察するため、子供に直接会ったり家に訪問し現在の暮らしを直接目で見た家庭裁判所調査官が作成した調査書は、なによりも決定権を持っている資料なのです。
そのため、決定権を持っていなくても親権獲得には家庭裁判所調査官の存在は必要不可欠となります。
親権調査で気をつけること
とにかく堂々と対応することです。自分たちの生活を洗いざらい見せることになりますので、自信を持って対応することが大切になってきます。
子供のことについて話すとき、現在の様子はもちろんですがこれからどのように育てていくのか、しっかり育児の基盤を整えておくことも重要です。
子供がかわいいから育てたいと思うのはどちらの親も同じことですから、愛情の大きさを争点にすることはできません。安定して育てることができ、育児を手伝ってくれる祖父母の存在など、総合的に判断されます。
しかしそれらの状況を合わせても、裁判所は親権について子供の現状を変えることを否定的に考えることが多いです。すでに別居していて子供がどちらか片方の親の元で安定した暮らしを送っている場合は、それに勝るものがない場合もあります。
もしこれから家庭裁判所調査官による調査が予定されている場合は、気を抜かずに取り組みましょう。
まとめ
家庭裁判所調査官は親権を勝ちとるために必要な要注意人物!
家庭裁判所調査官が親権問題に関わる範囲
調査内容とは?
親権の決定権までは持っていない
親権調査で気をつけること