夫婦関係は破綻しているが、さまざまな事情から別居に踏み切れず同じ屋根の下に暮らしながら生活している状態を家庭内別居といいます。
家庭内別居 にはさまざまなメリット、デメリットがありますが、中でも『 生活費 』に関してはさまざまなルールや取り決めが必要不可欠です。
家庭内別居と生活費の設定方法
家庭内別居のメリット・デメリット
家庭内別居は、配偶者を単なる同居人と気持ちの上でしっかり割り切って生活できるならば、離婚にかかるさまざまな労力や、別居による世間体などを気にするといった精神的なわずらわしさがないぶん、得られるメリットも大きいと言えます。
ただし、あくまでも、当事者の気持ちによって大きく左右されるメリットといえます。
このように、当事者同士の気持ちによっては、メリットが大きい家庭内別居ではありますが、デメリットは、居・食・住にかかわるお金である、『生活費』をどのようにすべきかというところにあります。
家庭内別居にはきまり事が必要?
お互いの気持ちが冷めた中での同居生活では今まで、何気なく共有していた物がトラブルの原因になりがちです。食事はどうするか、お風呂はどうするか、リビングの使用は?洗濯は?冷蔵庫の使用は?などあげ始めたらきりがありません。
お互い顔を合わせるのも嫌だし、極力言葉も交わしたくないといった状態なわけですから、さらにトラブルにならないよう、ある程度のきまりを作っておく事は、円満な家庭内別居生活を送るためにも必須条件といえます。
『生活費』の設定法
家庭内別居でも特に、きちんとしておいた方がいいものは、なんといっても『生活費』ではないでしょうか。
夫婦間が良好であった時は、当たり前のように夫が出していた光熱費などの生活費を双方で分担する必要が生じます。
関係が崩れてしまった後は、子供の養育費はだしても、妻の生活費は払いたくないと支払いを拒否する夫。夫から支払われる子供の養育費が少ない、あるいは共有部分での生活費の支払いが不透明すぎるなど、不満の多い妻。
家庭内別居は、長い時間をかけて夫婦関係が壊れている事が多いためか、『生活費』に関しては、はっきりした話し合いもなく、線引きもないまま、ずるずるとお互いが不透明な部分で不満を抱きながら生活しているケースが多いようです。
こうなってしまうと、双方でなかなか、改めて話し合いをする事は困難です。
家庭内別居の方向性を決めましょう
別居はしたいけど住居先に経済的な負担を強いる事が、すぐにはできないという理由での家庭内別居であるならば、経済的な基盤を作るための期間と考えて、配偶者ときちんと話し合いを持ち、生活費に関するきまりはしっかり話し合いましょう。
いづれは、出て行くことが目的であり、それまでの仮の住まいである事が前提であるならば、生活費についても、細かい設定がしやすくなります。
熟年になり、子供も独立してしまった場合など、今更1人暮らしも不安だし、経済的にも不可能という保守的な立場での家庭内別居である場合、生活費の線引きや不透明さにはある程度、お互いの妥協が必要となるかたちでの生活費設定となってきます。
そして熟年においての家庭内別居は生活費に加え介護の問題も含め話し合っておく事が重要です。自分達の介護も去ることながら、夫の両親が健在の場合、両親に介護が必要になった時、自分はどうしたいかを、はっきり、伝えておく必要があります。
家庭内別居はいづれ出て行くための準備期間であるのか、夫婦関係を修復するためのものであるのか、さまざまな事情で仕方なくの打開策であるのか…その方向性により、生活費の設定も大きく変わってきます。
いづれにせよ、夫婦として共有してきたスペースを自分の気持ちとは関係なく『他人』として共有する生活を余儀なくされた時に生じる摩擦は、当事者で解決していくしかないのです。
円満な家庭内別居はきちんとした『生活費』の分担から成り立つといっても決して過言ではありません。
まとめ
家庭内別居と生活費の設定方法
家庭内別居のメリット・デメリット
家庭内別居にはきまり事が必要?
『生活費』の設定法
家庭内別居の方向性を決めましょう