「たった一度の失敗でアウト?離婚も家庭内別居も地獄の登竜門(前編)」では、日本の母子家庭が苦しむ貧困とは相対的貧困であるとご紹介いたしました。
後編では、 家庭内別居 が子どもに与える影響について、また 離婚 により母子家庭となった子供を不幸にしてしまう日本という国のシステムについてご紹介いたします。
たった一度の失敗でアウト?離婚も家庭内別居も地獄の登竜門(後編)
離婚が子どもに与える影響を考える
母子家庭の子どもは、進学をあきらめたり、就職において不利になることが多かったり、結婚でさえ不利になることがあるというのは今でも色濃く残っています。
特に一流企業や金融関係の会社には、片親に育てられたイコールお金に困っている、という偏見があり、本人の能力どころか学歴さえも見ることなく不採用にするのだそうです。使い込みが懸念されていましたが、使い込みができないシステムを考える方が先なのではないでしょうか。
家庭内別居が子どもに与える影響を考える
一方、家庭内別居は子どもの心を傷つけさまざまなトラウマを抱えることになります。
子どもの進路・教育方針の違いで両親がケンカしていると、両親の不仲は自分のせいではないかと悩んでしまったり、両親が不仲でお互いが苦労していることを知っているので、これ以上両親に負担をかけないように、自分の両親に甘えたい、頼りたい盛りの時期に自分の持ちを押さえつけてしまったりします。
しかも家に帰ると両親がケンカしかしていないので、人と会話がうまくできなったり、いつも人をうらやましいと思ったりしてしまいます。両親のケンカに怯え、友達と自分は全く違うことにショックを受ける、子どもにこのようなつらい思いをさせるのは残酷です。
子供につらい思いをさせる日本という国
片親特に母子家庭の母親に言わせると「日本には片親でも産み育てる環境がない」のだそうです。確かに母子家庭で正社員のまま働ける人は、「ひとり親家庭の主要統計データ」によると39%ですが、非正規社員は47.4%と多いうえに低所得でいつ無収入になるのかわからない不安があります。
本来なら会社は正規雇用を増やさなくてはいけないのですが、儲けを出すために安い非正規社員を使うのが現状です。これから高齢化と少子化がさらに加速しますが、残念ながら国民年金を株に投資して失敗するなど問題が多く、年金は下がり、税金は上がる一方です。
しかしこの状態が進むと結婚しない女性が増加したり、経済的に子どもを産めなかったり、低所得者層の子どもの進学、就職、結婚がうまくいかなかったりする可能性があるのです。
こうして少子化や学力の低下がさらに加速すれば、国力は下がり、年金制度は完全に破たん、老後の貧困層が増えてしまいます。生活保護を受ける人が増えれば、社会保障費が増えてしまいます。
そして国がさらに社会保障費を減らすために基準をきつくすると手当が減ったり、なくなったりします。そして貧困層は増え、ますます子どもがいなくなるという悪循環を繰り返すことになるのです。
まとめ
たった一度の失敗でアウト?離婚も家庭内別居も地獄の登竜門(後編)
離婚が子どもに与える影響を考える
家庭内別居が子どもに与える影響を考える
子供につらい思いをさせる日本という国