誰かと意見が合わないときに多くの人は「あなたとは価値観が違う」という言葉を使います。その先にある結論は「価値観が違うのだから話し合っても無駄」、「あなたとは分かり合えない」となってしまいます。
「性格の不一致」で離婚した人に話を聞いてもこの「価値観の違い」という言葉がよく出てくるのです。 価値観 の違いというのはそれほどまでに重要なことなのでしょうか。価値観が違う相手とは一緒に暮らせないのでしょうか。
なんでも「価値観の違い」で片付けていませんか?
「価値観」って一体なんですか?
辞書で「価値観」の意味を調べると「物事を評価する際に基準とする、何にどういう価値を認めるかという判断」とありました。例えば物事の良し悪しを判断したり優先順位をつけるというときに判断の基準となるものは人によって異なります。
一般にそれを「価値観」としてその判断基準が似ていれば「価値観が合う人」で異なる部分が多ければ「価値観が合わない人」ということになります。価値観は良く使われる言葉ですが、実際に誰かと考え方や意見が合わないときには、具体的な物事がそこにあるものです。
その物事についてのお互いの考え方の違いを理解しようともせずに「価値観が違う」という言葉で片付けてしまってはいないでしょうか。
育った環境によって価値観はつくられるもの?
価値観というものはその人が育ってきた家庭環境や社会によってつくられます。両親や家族の影響が大きく関わってきますし学校教育の影響もあります。
極端な例を挙げれば、平和な日本に生まれ育った人と紛争の絶えない貧しい国に生まれ育った人とでは「善悪の判断」や「物事の優先順位」は大きく違うはずです。
その一方で同じ環境で育っても価値観が同じとは限らない場合もあります。同じ両親に同じ家庭環境で育てられた兄弟姉妹が同じ価値観を持つようになるかといえば、そうではありません。金銭感覚ひとつを取っても兄弟で「浪費家」、「堅実派」に分かれたりします。
仕事や結婚、恋愛に対しての考え方も同じではありません。価値観というものは「個性」や「性格」と言い換えることができる部分もあるので、なにに対して「価値観が違う」と感じるかということすらも、人それぞれ感じ方が違うでしょう。
つまり価値観はその人がどんな環境でどんな経験をしてきたのかが大きく影響しているものです。
結婚生活における価値観とは?
「殺人は悪いことです」、「飲酒運転はしてはいけない」、「困っている人がいたら助けよう」このような判断基準は多くの人に共通している価値観だと思います。
また優先順位についても「人の命」と「高価な皿」のどちらが大切か?などという問題においては大抵の人が「人の命」と答えるはずです。しかし結婚生活において問題になる価値観というのはそういうことではありません。
働き方に対する考え方や家族のあり方についての意見の食い違い、父親とはこうあるべき、母親とはこうあるべきというようなイメージの違いなどが夫婦にとって意見が対立してお互いに「価値観が違う」ということになるのです。
結婚相手は価値観が違って当たり前
「結婚相手には価値観が似ている人を選ぶと良い」などと結婚相手の条件を挙げるときには必ずといっていいほど「価値観」という言葉がでてきます。
確かに金銭感覚や結婚生活に対するイメージなどがズレている人とはうまくいかないでしょう。大事にしているものが同じであれば優先順位もスムーズに決められます。
しかしどんなに気が合う相手でも結婚して一緒に暮らしていれば意見がぶつかることはあるはずです。どちらかと言えば「価値観は違って当たり前」と考えた方が結婚生活はうまくいくのです。
「自分と違う考え方をする人とは一緒に暮らしていけない」という考えでは、結婚生活はすぐに破綻してしまいます。「自分と違う考え方をする人と一緒に楽しく暮らすコツ」をお互いが見つけていくことで結婚生活はうまくいくのです。
まとめ
なんでも「価値観の違い」で片付けていませんか?
「価値観」って一体なんですか?
育った環境によって価値観はつくられるもの?
結婚生活における価値観とは?
結婚相手は価値観が違って当たり前