増加の一途をたどる熟年離婚ですが、話題になり始めてから早十数年になります。話題になり始めたころは妻が夫に三行半を突きつけるパターンが8割を占めていたようですが、そんな熟年離婚事情にも変化の兆しが見られるようです。
最近では夫が妻に離婚を切り出すケースも4割にのぼるという意外なデータもあります。しかし、数十年連れ添った夫婦の離婚ともなると、円滑な 熟年 離婚 を果たすには、事前の準備と段階を踏む必要があるようです。
熟年離婚を円滑に進めるために必要な4つの準備
離婚を上手に切り出す
離婚成立までの道のりを考えると、相手に離婚の意思を上手に伝えることはとても重要になってきます。熟年離婚においてはお互いに年を重ねているため、切り出し方次第で相手を意固地にさせてしまうこともあり得ます。
したがって、相手に自分の気持ちを理解してもらうにはどのように離婚を切り出したらよいのか、前もって考えておく必要があるでしょう。
離婚の切り出すには、以下の2通りの伝え方が考えられます。
- 面と向かって直接離婚したい旨を伝える。
- 書面で離婚したい旨を伝える。
どちらの方法が相手を刺激しやすいかというと、書面で伝える方法ということになるでしょう。
相手からすると、いきなりの離婚、いわば三行半を突きつけられたというように感じます。相手の闘争心をあおることもなり兼ねませんので、穏やかに面と向かって離婚の意思を伝えるのが良いと言えます。
離婚原因を明確に
熟年離婚でも通常の離婚と同様に、夫の同意がない場合は法律で定められた離婚原因がなければ離婚することができません。DVやモラハラはもちろんのこと、「価値観の違い」に起因する別居(家庭内別居を含む)などで夫婦関係が破たんしている場合にも離婚は認められます。
熟年離婚では後者のケースも多いでしょうから、こうした離婚原因を証明できるように普段からその証拠を集めておくことも大切です。
すでに子供が独立している熟年夫婦の離婚では、離婚したいという妻(夫)の意思が尊重されるケースが多いようです。
共有財産を把握すること
婚姻期間中に築いた財産は、夫婦共有の財産になることを覚えておきましょう。それは妻が専業主婦の場合でも同じことです。
熟年離婚においては退職金の扱いも気になるところでしょう。
退職金には給与の後払いといった性質があります。妻のサポートがなければ夫が会社で働くことができないと考えられる場合は、夫に支給される退職金であっても妻が分与を受ける権利が発生します。退職前の離婚では、婚姻期間に応じた退職金の額が財産分与の対象となります。
年金分割も認められるように
平成16年に法律が改正されて、離婚後に夫が受け取る年金の一部を妻に分割してもらえるようになりました。専業主婦でも夫の年金の最大半額を受け取ることができるようになり、専業主婦が感じていた不公平感がこの制度によって是正されました。
この制度の施行がきっかけで熟年離婚の増加に拍車がかかったとも考えられており、妻の側の経済的な問題が、それまだ熟年離婚の足かせになっていたことが、このことで証明されました形になります。
このように、熟年離婚を考えている妻からしてみると、夫が受け取る予定の年金の額はとても重要です。離婚を切り出す前に、夫の年金受給額を把握しておくようにしましょう。その金額さえ把握すれば、離婚後の具体的な生活を思い描くこともできます。
離婚して自立した人生を歩みだす、そんな離婚後の生活を思い描くことができれば、それほど心強いことはありませんね。
まとめ
熟年離婚を円滑に進めるために必要な4つの準備
離婚を上手に切り出す
離婚原因を明確に
共有財産を把握すること
年金分割も認められるように