慰謝料とは、民事的な損害賠償の一種です。刑事の問題ならば、自分はなにもしなくても警察が犯人を逮捕するために動いてくれますが、民事の問題では自分で動かなければなにも起きません。
ここでは、 慰謝料 を 請求 する 方法 とその手順について解説します。
慰謝料を請求する方法とその手順
慰謝料を請求する方法は大きく分けて2つ
慰謝料を請求する方法には、大きく分けて、「交渉によって請求する方法」と「調停や裁判で請求する方法」の2つがあります。
交渉によって請求する方法をとる場合には、夫婦の場合ならば直接会って話をすることになるでしょう。しかし、相手の方が知識が豊富だったり、対策を知っている場合などには、うまく逃げられてしまったり、相手に有利な条件での和解になってしまう可能性もあります。
自信がない場合には弁護士に代理人として交渉をしてもらうのがお勧めです。
一般的には離婚時に話し合いをして慰謝料、財産分与、養育費などの内容の取り決めをしておきますが、DV(暴力)が原因での離婚の場合、一刻も早く別居して身の安全を確保するため、慰謝料を請求する前に離婚をするケースがあります。
その場合には、直接会うことは危険なので、書面による交渉をすることになるかもしれません。あるいは、弁護士などに代理人として交渉をしてもらうという手もあります。
調停や裁判で請求する場合
裁判外の交渉で解決ができれば、時間も費用も節約できるので一番ですが、両者の話し合いで解決できない場合には裁判をすることになります。
裁判をする前に、調停が行われるのが一般的です。調停とは、簡易裁判所で非公開で行われる話し合いのことです。調停はあくまで話し合いであり、強制力はありませんので、相手が出頭しなかったり、話し合いの結果解決できなかった場合には改めて裁判をすることになります。
裁判では、最終的に和解や合意に至らなかった場合でも、裁判官による判決が下されます。そのため、相手が出頭しなかった場合でも判決が下され、法律による強制力が生じるので確実になんらかの解決ができることになります。
浮気相手に慰謝料を請求する場合は?
慰謝料請求では、不貞行為を行った配偶者のほかに、浮気相手に対しても慰謝料を請求することができます。ただし、浮気相手が「配偶者がいることを知った上で不倫していた」という事実を証明する必要があります。
浮気相手への慰謝料請求でも、基本的には配偶者へのそれと変わりはありません。しかし、証拠もないのに慰謝料を請求すると、逆に名誉毀損などで訴えられてしまう可能性もあるので注意しましょう。
裁判ではもちろん、交渉をする上でも証拠は必要になります。配偶者が浮気を認めている場合には、浮気相手が否定していても慰謝料を請求できます。
一般的には弁護士に相談することが多い
慰謝料の請求は、法律的な問題です。本人が「キスをしている写真を入手した。浮気されたので慰謝料を請求したい。」と主張しても、法律的にはキスくらいで慰謝料はとれません。
慰謝料が請求できるかどうかの判断は、素人では難しい問題です。どのような証拠を用意すればよいのかもわからないことが多いでしょう。そこで、まずは弁護士に相談をするのがお勧めです。
弁護士に相談をした結果、「浮気なので慰謝料をとれますよ」と言われた場合には、慰謝料請求を進めていくことになります。まずは、内容証明郵便で慰謝料を請求することが一般的です。そして、相手が請求に応じなければ裁判という流れになります。
慰謝料請求のタイミング
相手の浮気が発覚したら、すぐに慰謝料を請求するのはナンセンスです。相手が争う姿勢を見せたら、証拠がないと勝てません。場合によっては探偵に依頼をして、不貞行為の証拠を入手する必要があります。
不貞行為の証拠として確実なものは、「ラブホテルに2人で入っていく写真複数回分」となりますが、ちょっとした証拠でも組み合わせることで不貞行為が証明できることもありますので、普段からできるだけ証拠を集めておくようにしましょう。
慰謝料請求の時効は、「浮気の事実を知ってから3年」です。時間が経てば経つほどお互いの記憶は薄れていき、証拠の入手は難しくなっていくので、早めに行動をすることが重要になるでしょう。
まとめ
慰謝料を請求する方法とその手順
慰謝料を請求する方法は大きく分けて2つ
調停や裁判で請求する場合
浮気相手に慰謝料を請求する場合は?
一般的には弁護士に相談することが多い
慰謝料請求のタイミング