相続について調べたことがある方は「遺留分」という言葉に触れたことがあると思います。しかしいままで聞いたことなく初めて知ったという方も多いかもしれません。簡単にいうと遺留分とは相続人に認められた権利のことです。
では 遺留分とは どのような制度なのか学んでいきましょう。
遺留分とはなにか?両親が離婚した後の子供の相続について
遺留分とは?
遺留分とは相続する権利のある者に対して認められた権利のことです。人は自分の財産を自分の意志で自由に処分することが認められています。生前に遺言書を作成し特定の相手に対してのみ与えるなど、自由に決めておくことが可能です。
しかし、すべての財産を故人の意志のまま処分してよいとなると、故人へ依存する残された家族がいる場合、家や財産すべてを失ってしまうとなると、その後の生活が破たんする可能性があり望ましいことではありません。
このような場合に相続人に対する不利益を防ぎ一定の財産を保証し守るために認められた権利の制度のことを「遺留分」といいます。
相続人とは?離婚した妻に相続権はある?
離婚をした元夫が亡くなった場合、一度戸籍が一緒だったことを理由に、相続権があるのではないかと思われる方もいるかもしれません。しかし、離婚したことによって法律上まったくの他人となるため、離婚をした元妻には一切相続する権利はありません。
では子供がいる場合はどのようになるのでしょうか。 夫婦は離婚をすれば他人になりますが、子供にとっては親子の関係が切れることはありません。
両親が離婚をした後、ずっと長い間会うことがなかった場合であっても、親子である事実になにも影響はないので、相続する権利が消えることはありません。子供は両親が離婚をしたかどうかの事実とは関係なく、父親、母親双方の相続人なれるのです。
離婚後に再婚し子供がいる場合は?
元夫が再婚し、その後、再婚相手との間に子供ができた場合はどのようになるのでしょうか。再婚後に子供がいる場合であっても、前妻との間の子供は父親の法定相続人となります。もし前妻の子供の戸籍が父親の戸籍と別々になっている場合であっても同様です。
たとえ戸籍が違っていても前妻との間の子供が「実子」である事実が消えてしまうわけではありませんので、法律上の親子関係には全く影響はないのです。
また逆に、親権者である元妻側が再婚した場合はどのようになるのでしょうか。子供は、母親が再婚することによって自動的に再婚相手との間で親子関係が作られるわけではありません。
母親の再婚相手が養子縁組をすることによって初めて親子関係が作られます。したがって、母の再婚相手が亡くなった場合も、実の父親が亡くなったどちらの場合でも法定相続人となりえます。
遺留分の割合はどのくらい?
相続人は遺留分として取り戻せる割合が法律で定められています。
- 配偶者:法定相続分の2分の1
- 子供:法定相続分の2分の1
子供が複数いた場合は、法定相続分1/2をそれぞれ子供の数で割ります。たとえば、子供が2人いた場合、法定相続分1/2をもとに子供の人数でわけるので、1/4ずつということになります。
また、両親のみが相続人である場合は法定相続分の1/3が遺留分となると定められており、また兄弟姉妹には遺留分の権利はありません。
権利を行使するかどうかは自分の意志
権利を行使したい場合には、特に方法などに決まりはなく、必ず裁判をしなければいけないというわけではありません。相手方に対して意思表示をすることのみで可能といわれています。その権利を行使するかしないかは個人の自由です。
ですので、その権利を放棄することももちろん出来ます。ただ遺留分という制度があることを知らないと、もらえるはずの財産をもらえないことになってしまいます。親子の関係は死ぬまで続きます。最低限でも知っている、ということが望ましく大切なことです。
まとめ
遺留分とはなにか?両親が離婚した後の子供の相続について
遺留分とは?
相続人とは?離婚した妻に相続権はある?
離婚後に再婚し子供がいる場合は?
遺留分の割合はどのくらい?
権利を行使するかどうかは自分の意志
遺留分とはなにか?両親が離婚した後の子供の相続について