人間の人格形成は、思春期までにはほぼ完成しているといわれています。その大事な時期に、夫婦仲が悪い環境で育った子供には悪い影響しかあたえないことは言うまでもありません。
夫婦仲 が悪いことにより子供に及ぼす影響はさまざまですが、特に多い影響を見ていきます。
夫婦仲が悪い家庭が子供に及ぼす影響とは?
自分を責める
子供は、夫婦仲が悪いのは両親が悪いとは思いません。子供は両親が喧嘩をしているのを見て、「自分が悪い子供だから喧嘩している」と思い自分を責めてしまうのです。
自分がいい子であれば、両親の喧嘩がなくなると本気で思っているので、両親が喧嘩をしないように顔色をうかがうようになってしまいます。
その子供は、のちに大人になっても周りの顔色をうかがいながら生活してしまうことになり、辛い悪影響となってしまうでしょう。
うつ
最近の研究では虐待を受けるよりも、夫婦の仲が悪い家庭で育った子供のほうが悪影響を与えることがわかっています。それほどに夫婦の仲が悪いことは、子供の心に悪い影響があるということです。
うつは大人だけではなく現在は、子供にも増え始めているようです。一番の原因は家庭内の問題であり、両親の不仲は最たる原因です。
喧嘩ばかりしている不仲な両親を目の当たりにしていると、子供は「これから両親はどうなってしまうのだろう」と、不安になります。
子供には睡眠不足や食欲不振といった症状が出始め、成績低下も引き起こします。ほかにも、何をしても楽しいと感じなくなることで、笑わなくなります。そうして次第に落ち込んでいくのです。
認識が歪む
家庭は子供が生まれて一番先に接する社会です。夫婦仲が悪い環境のもとで育ってしまうと、それが影響して基本であると認識をしてしまいます。つまり、「夫婦は仲が悪い」という間違った認識をもつわけです。
最初にも説明しましたが、思春期までには人格形成がほぼ完成しますので、子供の頃の悪影響は大人になっても続きます。
ですから認識が歪んでしまった子供は、将来家庭を持つことが困難となり、仮に家庭をもったところで上手くいかず離婚してしまうケースが多いようです。
自己肯定感が低い
自己肯定感とは、「ありのままの自分を肯定する気持ち」「自分は大切な存在であると感じる気持ち」です。夫婦仲が悪い家庭は、子供の自己肯定感に多くの影響を与えてしまいます。
子供の自己肯定感が低いと、自分に自信をもつことができない、何事にも意欲がもてないまま成長してしまいます。自己肯定感が低い子供は学校内において、他の子を批判する、いじめる、怒りやすいといった問題を起こしやすいケースが多いようです。
これが低い子供が家庭をもったところで上手くいくわけもなく、離婚してしまいます。
不登校、引きこもり
自己肯定感が低い子供はやがて、心と身体のエネルギーがなくなり、夢や希望をもつことをあきらめてしまいます。そして人、社会との関わりを拒むようになり、不登校、引きこもりとなってしまうのです。
夫婦が離婚したことで、不登校や引きこもりが改善した例もあるようです。逆に、子供が不登校や引きこもりになったことによって夫婦仲が改善した例もあります。
どちらにせよ、夫婦仲が悪いことにより不登校や引きこもりを引き起こすリスクが非常に高いことがわかっています。
子供にとって夫婦仲がよい家庭がすべてです
子供にとって心と身体によい影響であるのは、「夫婦仲がよいこと」。当たり前であってこれがすべてではないでしょうか。
夫婦といえども、もともとは赤の他人同士ですから価値観の違いで喧嘩をすることもあるかもしれません。しかし子供は両親のすべてを見て影響を受け、大人になっていきます。
離婚率が上がっている現在、子供に与える影響を考え、夫婦2人だけの問題ではないことを再確認するときかもしれません。
まとめ
夫婦仲が悪い家庭が子供に及ぼす影響とは?
自分を責める
うつ
認識が歪む
自己肯定感が低い
不登校、引きこもり
子供にとって夫婦仲がよい家庭がすべてです