離婚したいのに相手が合意してくれないときや不倫の慰謝料を請求されそうなときに「夫婦関係は既に破綻している」ということが証明できれば、調停などで自分にとって有利になることがあるのですがそれを証明するのはかなり難しいようです。
「 夫婦関係 の破綻」とはどういうことなのでしょうか。
夫婦関係が破綻していることを証明しろと言われたら?
夫婦関係が破綻しているから離婚したいのに!
「離婚したい」と考える時点で少なからず夫婦関係はうまくいっていないはずです。ましてや調停を申し立てるほどの状況であれば当事者の話し合いでは決められないということですから当人は「私たちの夫婦関係は破綻している」と思っているのではないでしょうか。
また浮気が原因で離婚になった場合には、浮気した側とその浮気相手は慰謝料を請求されることがあります。浮気が原因で夫婦関係が悪化したケースと浮気する前から夫婦関係が破綻していたケースでは慰謝料に差がありますからそれを証明したいと思うでしょう。
しかしこの「夫婦関係の破綻」というものは意外と証明が難しいのです。「夫婦喧嘩が絶えなかった」、「何年もせックッスレスでした」、「家庭内別居状態でした」などと破綻の要素をどれだけ並べ立ててみたとしても、それらを証明すること自体が難しいからです。
第三者の視点で考えてみよう
例えばあなたが近所の夫婦について「最近あそこの夫婦関係はどうでしたか?」と誰かに聞かれたとしましょう。
いつも外に聞こえるような大声で夫婦喧嘩をしていたというような事実があれば「あまりうまくいってないように見えました」と証言できるかもしれませんが、ごく普通に暮らしている限り他人の夫婦関係など外からはわからないものです。
会社の同僚や友人の夫婦関係についても本人から「うまくいってない」という愚痴を聞かされていればそうなのかなと思うものですが、それが事実かどうかということまではわかりません。
既婚者でありながら異性を口説き関係を持つということは珍しくありませんが、口説き文句の中で「離婚寸前なんだ」、「もうお互いに(離婚することを)納得してるから」、「全然会話もない」などと言っていたとしても実際にはそんな事実はなく不倫が発覚して修羅場になるということもあります。
このように家庭内の状況は第三者には見えないものなので、それを証明するということはとても難しいのです。
夫婦関係の破綻に定義はあるの?
民法で認められている離婚原因は5つあります。「不貞行為」、「悪意の遺棄」、「生死が3年以上不明」、「強度の精神病で回復の見込みがない」、「婚姻の継続が困難な重大な事由がある」です。
離婚裁判をする場合などにはこのいずれかに該当していなければ離婚が認められないというものです。「婚姻の継続が困難な重大な事由」として夫婦関係が破綻していることをあげるにはどうすればいいのでしょうか。
無料法律相談の担当弁護士によれば「夫婦関係が破綻しているという状態に法律で定められた基準のようなものはありません」ということでした。実際の裁判でも事実関係を調べた上で判断されるそうです。
その際「別居期間が長い」、「長期間にわたり婚姻費用が支払われていなかった(生活費をもらっていなかった)」というような事実が証明されれば夫婦関係が破綻していたと認められることもあります。
しかしどちらかが離婚を拒否しているような場合では離婚したくない側は「夫婦関係は破綻していない」という主張をするでしょう。「家族旅行に行った」、「学校行事に夫婦で参加した」というような事実があれば「破綻していない」という主張は認められやすくなります。
証拠の有無が大切
以上のことから「夫婦関係の破綻」を証明することの難しさはご理解いただけたと思います。
協議離婚や調停離婚での話し合いであれば当人同士が納得すれば良いのですが、裁判などで判断を第三者がする場合には客観的に「夫婦関係は破綻していて修復は不可能」と認められなければならないということです。
「破綻していた」、「破綻していなかった」という争点ではどちらもその証拠があるかどうかということが重要なポイントになります。
夫婦関係の状況は人それぞれ事情が違うので、具体的にどういうものが証拠になるのかということは無料の法律相談などで弁護士に聞いてみるとよいでしょう。
まとめ
夫婦関係が破綻していることを証明しろと言われたら?
夫婦関係が破綻しているから離婚したいのに!
第三者の視点で考えてみよう
夫婦関係の破綻に定義はあるの?
証拠の有無が大切