「不倫の全てが不貞行為ではない?!不貞行為とは?(前編)」では、不貞行為の定義についてご説明いたしました。後編では、不貞行為としてどのような証拠が認められ、どのような証拠が認められないのかご説明いたいます。
法律上の 不貞行為とは 、なかなか立証の難しいもののようです。
不倫の全てが不貞行為ではない?!不貞行為とは?(後編)
不貞行為には証拠が大切
不貞行為を理由として離婚請求をした場合、証拠が必要になります。証拠とは不貞行為を証明できるものですが、実際に情事の最中の動画や写真を手に入れられる人は、ごくわずかです。そこで、『不貞行為』を容易に『推認』できる証拠の提出を求められます。
証拠として一般的に多いのが『映像や写真』です。不貞行為をした配偶者が、何度も配偶者以外の人物とホテル(利用目的が比較的明確な場所)に出入りしている場面などの映像は『推認できる証拠』として認められています。
しかし、デジカメなど写真は合成や修正の可能性を考えられてしまいますので、証拠としては不十分と判断されてしまうこともあるようです。
次に証拠として強いのは『音声録音』です。不貞の事実を認める場合や、それによって結婚生活が破綻しているといった内容の音声を『録音テープ』で提出することで、証拠として認められます。
しかし、こちらもデジカメなどの写真同様、ICレコーダーだと修正・編集が可能なので、疑われないよう『録音テープ』で提出するようにしましょう。
メールなどでよく浮気や不倫関係が判明してしまうことはよくあります。不倫の証拠としては十分ですが、不貞行為としての証拠には不十分となることが多いので、証拠としては弱くはあります。
しかし、色事があったと認めるようなやりとりなどはメールでも証拠になりますので、プリントアウトをして残しておきましょう。
そのほかに見落としやすい証拠としては、『不貞行為を認める日記』『ホテルの領収書』『クレジットカードなどの明細』『第三者の証言』などで、憶測ではなく不貞行為があったとわかるものであれば、証拠として認められます。
慰謝料の金額に基準はない?!
慰謝料は不貞行為をされたことによる『精神的な苦痛』に対して支払われます。不貞行為によって別居や離婚、夫婦生活を継続する場合でも、不貞行為を行った相手(不倫相手)にも請求ができます。そしてその金額も基準はありません。
相場としては、夫婦関係を継続する場合は100万円未満、別居になった場合は100から200万円程度、離婚にいたってしまった場合は200から300万円といわれています。
また、不貞行為をした配偶者へ請求する場合、結婚していた期間・離婚原因としての割合によって変わります。やはり基準は定められていませんが、相場としては結婚期間が1年未満であれば100から300万円、3年から10年であれば300から700万円と高額になります。
不貞行為にも時効がある!
慰謝料請求には時効があります。どんなに許せなくても時効になってしまえば慰謝料は請求できません。
『不貞行為が判明した日から3年間』もしくは、『特定の相手と不貞行為が始まった日から20年間』と決められています。ただし、20年が経つギリギリに判明した場合は、判明した日から3年後が時効になります。
不貞行為と不倫の違い
不貞行為と不倫の違いを明確にするのであれば、『男女の色事があったかどうか』の違いになります。たとえば配偶者が異性と2人で旅行に行った場合、ただそれだけでは個人的にいくら不倫だと思ったとしても、法律上では認められないことがあります。
その理由として、不倫の基準が個人によって違うので明確な定義を定めることができないからです。
しかし、その行為が不貞行為であったかどうかで、慰謝料・親権・養育費など大きく変わるので、不貞行為を疑う場合はすぐに離婚をするよりも、証拠を集め専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
不倫の全てが不貞行為ではない?!不貞行為とは?(後編)
不貞行為には証拠が大切
慰謝料の金額に基準はない?!
不貞行為と不倫の違い
不貞行為にも時効がある!