生活費を心配する毎日を送っている人は、母子家庭のうち約85%の家庭は生活が苦しいとしています。しかしそのうち生活保護を利用している家庭は、100世帯のうち17世帯と極めてわすがな家庭です。
生活に苦しい 母子家庭 が、 生活保護 を受けずに踏みとどまる理由について考えていきます。
生活苦の母子家庭が生活保護を受給しないわけとは?
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生活保護でもらえる金額の基準が少ない!
生活に困っている母子家庭の全てが、生活保護を受けられるわけではありません。定義として厚生労働省が定めた最低の生活費よりも収入が少なくなければ、生活保護を受ける資格がないのです。
たとえば、子供2人(1歳児と3歳児)を抱えた30歳の母親家庭で最低生活費が月約17万円だとします。そのうちパートなどの収入で8万円がある場合、差額の9万円が生活保護費として支給されます。
そして、前夫から子供の養育費を貰っていた場合、その金額も申請しなくてはいけません。
1人あたり3万円の養育費として2人で6万円を受け取っていると、14万円の収入になります。差額の3万円のみの受給になるのです。
生活保護は貯金ができない!
生活保護は、最低生活費の給付のみなので本来であれば生活に必要だとされる最低ラインの支給になります。そして子供たちの教育費も義務教育までしか扶助されませんので、高校以降の学費を用意する必要があります。
しかし、生活保護を受けている限り、貯金はできません。貯金も『資産』と考えられ、その分減額されてしまいます。そして奨学金を得られたとしても『収入』とみなされてしまい、日々の生活費は変わりません。
そのため、もし子供が進学したいと夢を持っていても、あきらめざるをえない状況が多いのです。
車がもてない!
子供がいると、急な風邪などの病気など車を利用している人は多くいます。しかし、生活保護を受けるにあたって車を所有できない場合があります。自動車は、維持費が多くかかるので所有制限があるのです。
車がないと生活ができないとされる場所は認められますが、基本的には所有するのは難しいとされています。
彼氏と同棲してしまうと受給できない!
もし、将来を考えるようなお相手に出会えて同棲を始めた場合に、生活保護を受給していたらそれは不正受給にあたります。まだ籍を入れていなくても、一緒に生活をして電気代・水道代・食費などを生活保護費から出した場合に、不正受給とみなされてしまうのです。
そして同棲している彼氏に収入がある場合は、生活保護を受給できない場合も少なくありません。『彼氏』というだけであれば問題はありませんが、半同棲もしくは同棲となると場合によっては、不正受給によって返金を求められてしまいます。
前の夫に知られてしまう可能性がある!
生活保護を申請したときに、役所は親族や周りの人が養うことができないのかを調べます。親族はもちろんのこと、前の夫にまで連絡がいく場合があるのです。
離婚をするときには、『私一人でも子供を立派に育てて見せる!』と決意して離婚した女性は多くいます。そのため生活保護を受けたと、前の夫に知られてしまうことに抵抗を感じる人は少なくありません。
子供の将来を考えるとデメリットが多すぎる!
いくら経済的に辛くても母子家庭が生活保護を受けない理由には、デメリットが多すぎるというものがあります。
子供が18歳になると減額されてしまい、貯金もできない生活保護では、将来子供が進学を望んだときにその費用を捻出するのは難しくなります。子供が高校へ進学し、アルバイトをしたとしても一緒に住んでいる場合は、アルバイト代は『収入』とされてしまいます。
生活保護を受給している以上、あくまで最低生活費以上のものは持てなくなるのです。
風邪などで医療機関へ受診したくとも、福祉事務所に連絡をしてから医療券を受け取り、指定医療機関への受診が原則となります。
医療機関も福祉事務所からの連絡や医療券がなければ、基本は受診させることができないので、手間も多いのです。そうなると、子供にはつきものである急な発熱などへの対応は遅れてしまいます。
どれだけ頑張っても生活水準を変えることができないうえに、資産を持つことができないので、原則として車をもつこともできませんし、子供のための貯金もできません。子供の将来を考えたときに、生活保護を受けたくとも受けることを躊躇する人は多いのが現状のようです。
また、生活保護の受給者だということに、劣等感を感じる人も少なくありません。そして一部の受給者の不正受給が世間的に注目を集めるたびに、『生活保護受給者』に対しての世間の目は冷たくなります。
どれだけ隠しても周囲に知られてしまう可能性は高く、子供のいじめにもつながる可能性があります。
今の生活保護の制度では、『母子家庭』にとってはまだまだデメリットの多い制度です。子供の将来への影響を恐れ、受給を踏みとどまる母親も多くいます。
しかし、『生活保護』は永年を通しての利用目的ではなく、生活が安定するまでのサポート制度と考え、子供のためにもときには利用することも大切です。
まとめ
生活苦の母子家庭が生活保護を受給しないわけとは?
生活保護でもらえる金額の基準が少ない!
生活保護は貯金ができない!
車がもてない!
彼氏と同棲してしまうと受給できない!
前の夫に知られてしまう可能性がある!
子供の将来を考えるとデメリットが多すぎる!