母子家庭 と聞くと、 貧困 の二文字が頭をよぎりますが、母子家庭でも平均的な生活水準を保てるすべはないのでしょうか。日本は先進国という肩書を持っていますが、今の国内情勢をみるとほんとうの意味での先進国には達していないと考える人も多いようです。
母子家庭が貧困におちいる原因
母子家庭が貧困におちいる教育システム
数年前より、認定こども園というものが増えはじめました。幼稚園と保育園、両方の機能を持った新しいシステムの施設です。
私立でも親の所得に合わせて月謝が設定され、朝の7時から夜7時まで預けることが可能となっていますが、子供が熱を出した場合などは従来通り、親がすぐにお迎えに行かなくてはなりません。
1日や2日で引く熱であればいいのですが、インフルエンザのような出席停止をよぎなくされる病気にかかった場合、母親は仕事を休みずっと家で看病をしなければならないでしょう。その間、何日も仕事を休むことになります。
実家や親せきに子供を預け仕事に出られる人は幸いですが、皆が皆そうとはかぎりません。
病児保育をやっている民間事業や小児科もありますが、まだまだ数えるほどしか普及していません。A市にはあるが、お隣のB市にはないという状況です。貧困に苦しむ母子家庭で車を持っている家庭は、ないに等しいでしょう。
お隣のB市まで病気の子供を抱いて、バスや電車を乗り継ぎ子供を預けて職場へ出勤し、いったいどれくらい働く時間が残っているでしょうか。少し仕事をするとまたすぐお迎えの時間です。
母子家庭が貧困におちいる雇用システム
面接で、小さな子供がいる母子家庭であることを企業側に伝えると仕事に支障が出ると想定され、それを理由に不採用となることも多いようです。大手企業や役所には障害者採用枠が設けられていますが、母子家庭採用枠という発想はないのでしょうか。
今、日本は母子家庭ではなくても低所得者が増え貧困家庭が増加しています。それに加え少子高齢化が進み深刻な問題となっています。
企業側が自社の利益だけを考えず、もしも広い視点でもの事をみることができたなら、スキルさえ備わっていれば母子家庭大歓迎になるのではないでしょうか。人事で活躍されている方々も将来は不採用にした母親の子供に間接的に、老後を助けられることになるのです。
あるTV番組で、中小企業の社長が母子家庭の母親を積極採用しているという特集がされていました。社員の子供を幼稚園へお迎えに行き、会社へ連れて帰り遊ばせ、母親の仕事が終わったら一緒に帰宅させます。
熱を出した子供がいれば社長みずからが病院へ連れていき母親の仕事が終わるまで社内の一角で面倒をみて母親の仕事に支障が出ないようにしているのです。子供も母親もお互い近くにいるので安心して過ごせる理想の光景がありました。
子供は国の宝という意味を、もう一度誰もが再認識するべきでしょう。子供に十分な食事を与え健康な大人に育てるためと、将来国を背負うのに必要な教養、知識を養うための教育を受ける手助けを積極的にしていくべきです。
母子家庭の貧困は深刻を増す
母子家庭の子供と母親が餓死したというニュースは記憶に新しいところです。餓死する前に母親が役所の窓口へ生活保護の相談に行っていました。なぜ役所はすぐ、生活保護の申し出に応じることができなかったのでしょうか。
窓口で実際に母親と言葉を交わした職員は親子の餓死を知り非常に胸を痛めていました。やはりそこには改革しなければならない壁があるのでしょう。
企業などの支援を受け全国に子供食堂が広がりつつあります。貧困に苦しむ家庭の食べられない子供達に食事を提供する場所です。子供食堂は2016年の時点で全国に300軒できましたが、利用する子供は増え続け全く足りていないのです。
日本というこの国にまともに食事を摂ることができない子供たちがいるという現実を皆さんも知っておくべきでしょう。
母子家庭を貧困から救う生活保護
母子家庭が受けられる生活保護は他の生活保護受給者とは異なる点がいくつかあります。子供の人数分だけ最低生活費が加算される母子加算手当、その他教育費の扶助、医療費の扶助なども加算されます。
また、児童手当や別れた夫から養育費の援助を受けていても生活保護は受けられるのです。
パート勤めをしている場合でも、パートのお給料だけでは足りない生活費を補助してくれます。ただ生活保護の申請をしても受給資格が有るか否かの調査や手続きに日数もかかるので、子供のためにも、八方塞がりになる前に役所の窓口へ相談に行きましょう。
まとめ
母子家庭が貧困におちいる原因
母子家庭が貧困におちいる教育システム
母子家庭が貧困におちいる雇用システム
母子家庭の貧困は深刻を増す
母子家庭を貧困から救う生活保護