生活保護制度とは、憲法25条で定められている生存権を実現するための制度です。別の言い方をすると、すべての国民が「健康で文化的な最低限度の生活」を営めるようにするための制度です。
私達国民は、原則として持っている資産を活用したり、労働をして収入を得たりして自分の力で生活しなければなりません。しかし、できるだけの努力をしても最低限度の生活に満たない場合に、不足分を国の税金が補ってくれるということです。
中には、病気や障害を持っているために収入がゼロという人もいます。そういう人でも最低限度の生活を送れることが憲法によって保証されています。
今回は、 一人暮らし の人が 生活保護 を受けた場合にもらえる 金額 についてご紹介いたします。
一人暮らしの人が生活保護を受けた場合、もらえる金額はいくら?
生活保護の種類と内容
生活保護の種類には、「生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助」の8種類があります。
このうち最も重要なのが、生活扶助と住宅扶助です。生活扶助は日常生活に必要な費用のことです。食費・衣類・光熱費などがこれにあたります。住宅扶助は、アパート・マンション等の家賃など、住宅にかかる費用のことです。
子供がいる場合は、子供に義務教育を受けさせるための教育扶助も重要になってきます。病気になった時の医療扶助、介護扶助が役に立ちます。
医療扶助、介護扶助も忘れてはいけません。病気になったり、介護を受けたりしても医療費は全額国が負担してくれます。
一人暮らしの場合、いくらもらえるの?
生活保護の金額は、住んでいる地域、年齢、家族構成によって異なってきます。
「東京都1級地、20歳~40歳」の場合、住宅扶助第一類(食費・衣類等)40,270円、住宅扶助第二類(水道光熱費・家具什器費等)43,430円、住宅扶助53,700円(最大)の合計137,400円(最大)がもらえます。
住宅扶助に(最大)がついているのは、住んでいる部屋の家賃がこれ以下の場合、その実費しかもらえないということです。
例えば、家賃が4万円の部屋に住んでいる場合、その実費である4万円だけが支給されます。安い部屋に住んでいるからといって、家賃が節約できることにならないということです。
逆に、限度額よりも高い部屋に住んでいる場合、例えば10万円の部屋に住んでいても、支給されるのは53,700円だけです。これでは生活ができないので、引越しをするように指導されます。
加算がつく場合もある?
以上の金額に加えて、障害者の場合は障害者加算26,850円、母子家庭の場合は母子加算23,260円(児童1人の場合)などが金額に上乗せされます。
加算の種類には、障害者加算、母子加算の他に、児童養育加算、妊婦加算などがあります。
一人暮らしの人の場合、もらえる可能性があるのは障害者加算です。身体障害者1、2級、知的障害者1、2級の場合26,310円、身体障害者3級、知的障害者3級の場合17,530円が加算されます。
さらに障害者等級1級で重度傷害にあたる場合には、重度障害者加算14,480円が上乗せされます。なお、精神障害者福祉手帳1級、2級を持っている場合にも加算がつく場合がありますが、市町村によって異なるので要確認となります。
障害者等級に該当する人は、障害年金を受けている人も多いかと思います。もらっている障害年金の金額によって生活保護の金額も調整されます。障害年金を受けられる人は、必ず障害年金を申請しましょう。
冬季(11月~翌年3月)には、冬季加算が別途支給されます。
以上の金額は、「東京都1級地、20歳~40歳の場合」で計算した金額になります。住んでいる地域によって差がありますので、正確な金額が知りたい方は、お住まいの市町村の金額を調べてみてください。
働いている人は基礎控除が受けられる
生活保護を受けていても、働くことは推奨されます。生活保護は自立のための制度でもありますので、働いている人はそれだけ優遇されます。
例えば、給与収入が15,200円~18,999円の間なら、基礎控除の金額は15,200円です。働けば働くほどもらえる金額が大きくなっていきます。いつまでも国の税金のお世話になっておらず、いずれは自分の力だけで生活できることを目指しましょう。
まとめ
一人暮らしの人が生活保護を受けた場合、もらえる金額はいくら?
生活保護の種類と内容
一人暮らしの場合、いくらもらえるの?
加算がつく場合もある?
働いている人は基礎控除が受けられる